2012 Fiscal Year Annual Research Report
MRI横緩和速度を用いる生体鉄とヒト神経変性疾患に関する研究
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22390238
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
三森 文行 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 客員研究員 (90125229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 英宏 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (60370269)
宮嶋 裕明 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90221613)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | MRI / 横緩和速度 / 生体鉄 / 磁性 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
昨年度に実現した、脳組織の見かけの横緩和速度画像(R2†)と高分子量成分の存在比率画像(fM)を用いる脳の鉄([Fe])分布画像法のさらなる進展をめざして、10歳代から60歳代の各年齢にわたる被験者30名の鉄分布画像測定を実施した。この結果、高齢化に伴って脳の各部位の鉄濃度が増大する様子が画像として明確にとらえられた。この変化は死後脳の鉄濃度解析により既に知られているが、in vivo脳ではこれまで得ることのできなかった情報である。代表的な神経変性疾患であるアルツハイマー病の最大のリスク因子が加齢であることを考慮すれば、本法で得られた結果は有用性が高い。特に、緩和速度画像と同時に測定した脳の3次元T1強調画像の組織分画より得られる灰白質画像をテンプレートとして解析する前頭、側頭とりわけHeschl回、後頭灰白質での鉄濃度の増大は鉄分布画像以外の方法ではとらえることが困難であった。また、この鉄分布画像法を三次元に拡張すべく、T2†マップを測定するMASE測定法の三次元への拡張を図った。 さらに、1.5Tから7Tの5種の磁場強度の測定より見いだされた、R2†に対する[Fe]、fMの寄与の磁場依存変化からヒト脳における水プロトンの横緩和の機構について考察を行った。この結果、鉄の寄与は磁場に比例して増大し、鉄貯蔵蛋白質であるフェリチンが水溶液中で示す挙動と一致することがわかった。また、巨大分子の寄与は磁場の自乗に比例して増大し、これはバルクの水プロトンと、巨大分子に結合した相関時間の長い水分子の間のisochronous exchange、及び巨大分子上のOH、NH等の交換性プロトンとのanisochronous exchangeの和として解析できることを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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