2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱・振動・圧力低エネルギー複合化による新しい生体組織接合技術の確立
Project/Area Number |
22390242
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
増澤 徹 茨城大学, 工学部, 教授 (40199691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋上 哲哉 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60335429)
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
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Keywords | 人工臓器学 / 手術機器 / 生体組織接合 / 生体接着 |
Research Abstract |
低レベル量の振動エネルギー,熱エネルギー,圧力エネルギーを組み合わせることで,生体組織のコラーゲン等の構造タンパク質の融解,再凝固を生起し,低損傷な生体組織接合技術の確立を行う.そのために以下の研究を実施した. 1.接着機序の解明a)接合部分の可視化:遺伝子組み換え豚(クサビラオレンジの蛍光発色)組織と通常組織を接着し,その断面を観察する実験系を構築した. b)コラーゲン含有率と接着強度の関係調査:コラーゲン含有率が部位により異なる豚の大動脈を用いて接着,接着強度評価実験系を構築した. 2.生体組織同士の接合技術,金属材料と生体組織の接合技術の改良と接合デバイスの開発a)生体組織同士の接合技術の最適化:接着時間の短縮に焦点をあてて生体組織同時の接合技術の最適化を図った.専用のセラミックヒータ加熱部およびPWM加熱制御回路を開発し,把持部位の昇温時間の短縮,温度制御精度の向上を図る.また,接着加温時における伝熱シミュレーションを行い,最適な昇温制御方法の確立を行う.その結果,20秒まで接合時間を短縮できた.b)金属材料と生体組織の接合技術の最適化:ダイヤモンドライクカーボンの薄膜をプラズマCVD装置及びスパッタリング装置を用いてコーティングした改質表面や表面粗さを粗くした金属表面は優位に接着強度が増すことを実験で確認した.c)ハンドピース型組織接合装置の開発:動物実験専用のハンドピース型組織装置を開発した. 3.高分子材料と生体組織の接合技術,接着補助材の開発セグメント化ポリウレタンと生体組織の接合技術の開発,改良を行い,接合に適した高分子材料の選定,最適な接合時温度を探索した. 4.動物実験による接着評価,安全性評価,治癒過程評価本技術の安全性試験のための慢性実験モデルの開発を行った.
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