2010 Fiscal Year Annual Research Report
個人差を克服しうる自家細胞治療における品質予測・適正化システムの開発
Project/Area Number |
22390243
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片野 尚子 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (50376620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
片野 晴隆 国立感染症研究所, 感染病理部, 室長 (70321867)
松下 まりも (佐藤 まりも) 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50401253)
金本 彰 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10386021)
中村 貴史 東京大学, 医科学研究所, 特任准教授 (70432911)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / ウイルスベクター / 遺伝子治療 / 細胞療法 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
本年度は健常人ボランティアから得られた少量採血検体を用いて、細胞調製法・免疫反応測定法・ウイルスの検出系など品質予測の基礎となる手法の開発を行った。はじめに、レポーターとしてEGFP遺伝子を搭載した2種のアデノウイルスベクター、すなわちファイバー領域にRGDペプチド配列を挿入したRGD改変型(Ad-EGFP-RGD)と従来の非改変型(Ad-EGFP-Fwt)を用いて、1x10(5)細胞数でのヒト末梢血由来樹状細胞への遺伝子導入効率・発現強度・生存率などの検討を行い、遠心力を併用した遺伝子導入法の至適条件を確立した。次いで、この条件がIL-12遺伝子発現アデノウイルスベクターAd-IL12-RGDに対しても適用可能であることを確認した。一方、培地に添加する患者自己血漿には抗アデノウイルス中和抗体が含まれている可能性が十分に考えられることから、それがアデノウイルスベクターを介した細胞への遺伝子導入にどの程度影響を与えるかを確認するため、既に完了した細胞療法の臨床研究にて採取された患者由来血漿を用いてRGD改変型ベクターに対する中和抗体価を測定したところ、6例中4例で抗体価が認められた。今後、これらの結果をもとに細胞調製スケールの拡大を行い、閉鎖系細胞培養システムへの応用も検討する。また、ヒトに病原性のある163種類のウイルスを同時に、かつ高感度に検出できる定量的PCRをヒト由来細胞を原料とする培養細胞検体に応用するため、試料調製法、核酸抽出法、試料保存法、輸送法などの検討を行い、目的試料からウイルス検出を行う至適条件を確立した。今後、細胞検体を用いて検査手法の標準化を図り、細胞加工試験薬の安全性試験ツールとしての活用をめざす。
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