2012 Fiscal Year Annual Research Report
Exosome中のmicro RNAを標的とした消化器癌の新規診断・治療法の開発
Project/Area Number |
22390247
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 尚子 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20452899)
渡邊 雅之 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (80254639)
蒲原 英伸 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (90398222)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食道癌 / miR / miRNA |
Research Abstract |
食道癌患者におけるexsome中のmiRの発現意義の検討を行った。食道扁平上皮癌と診断された治療前の51例、および同時期の非癌症例(無症候性胆石症やヘルニアなどの良性疾患)41例を対象とし、2009年10月より収集した各血清からexosomeを抽出し、内包するmiRを抽出した。次に定量的RT-PCR(Taqman法)を用いて、食道癌における高発現が報告されているmiR-21の発現を解析した。食道癌/非癌症例についてmiR-21の発現を比較したところ、食道癌の群で発現が有意に高かった(P<0.001)。次に、exosomeの分泌や運搬に影響しうる炎症反応を除くため血液検査上CRP<0.3の症例のみを対象としたところ、食道癌症例30例/非癌症例30例においても食道癌の群で発現が有意に高いことが分かった(P<0.01)。また、食道癌症例について年齢、性別、cT stage, cN stage, M stageをそれぞれ2群に分け検討を行ったところ、年齢、cT stage, M stageの高い群で有意にmiR-21高発現を認めた(いずれもp<0.05)。食道癌症例において、治療前の血清から抽出したexosomeが内包するmiR-21の発現が非癌症例と比べ高いことを示した。また、年齢、cT stage, M stageが高いほどmiR-21の発現が高いことを示した。Exosomeは、血液をはじめ臨床の現場で比較的容易に採取できる検体から分離することが可能である。Exosomeからより特異的で安定したmiRNAを抽出し、その発現を測定/解析することで食道癌をはじめとした消化器癌の診断に応用できる可能性があると考えられた。以上の結果を、癌研究分野の一流誌の1つである「Cancer」誌に報告した。現在、他のmiRに関する検討を継続しており興味深い結果が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)