2010 Fiscal Year Annual Research Report
前臨床大動物モデルを用いた加齢退縮胸腺の若年化による免疫寛容誘導能の再賦活化戦略
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22390249
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
昇 修治 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (30433288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和彦 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (40241103)
佐原 寿史 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 特任准教授 (90452333)
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Keywords | 胸腺 / ミニブタ / 移植免疫寛容 / 腎移植 / 若年化再生 |
Research Abstract |
我々これまでに免疫寛容誘導における胸腺の重要性をミニブタモデルで立証し(J Exp Med 1997 ; Transplantation 1999)、加齢退縮した胸腺を若返らせることで胸腺固有の能力が再生し、免疫寛容誘導能が再賦活化される可能性を検討してきた(Nobori S.PNAS 2006等)。本申請研究ではミニブタを用い、(1)外因性因子であるLH-RH投与による加齢退縮胸腺の若年化の確認、(2)若年化胸腺による加齢レシピエントの免疫寛容の誘導、(3)若年胸腺移植による免疫寛容の誘導と機序の検討を目的としている。本研究により、外因性因子投与による加齢胸腺若年化がもたらす免疫寛容能向上性を前臨床大動物実験により検討し、臨床移植の大多数を占める成人レシピエントに対する革新的な免疫寛容誘導戦略の考案を目指す。 平成22年度はLH-RH投与による胸腺若年化がもたらす免疫寛容誘導能の再賦活化を検討(目的1)する実験に着手し、MHC確立クラウンミニブタを用いた検討により以下の結果を得ている。 結果1:LH-RH投与による加齢退縮ミニブタ胸腺若年化効果について準備実験に2症例を加え病理学的morphometric studyを進め、LH-RH投与2-3月後に最大の若年化を呈することを確認し、一部を米国移植学術誌に報告した(Transpl Immunol 2010)。 結果2:LH-RH投与により胸腺若年化を得た加齢動物に対し(n=3)、MHC完全不適合腎移植を行い、胸腺若年化による免疫寛容誘導能の評価を行っている。1例は術後28日で拒絶されており、この症例についてはLH-RH投与による胸腺若年化の程度について組織学的評価を中心に詳細な検討を行っている。残り2例は現在実験進行中であるが、術前生化学検査・FACSデータからは胸腺若年化が得られていると考えられ、結果が期待されるところである。
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Research Products
(1 results)