2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規大腸癌転移マウスモデル実験系の構築と臓器特異的転移関連バイオマーカーの同定
Project/Area Number |
22390257
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜井 孝夫 広島大学, 病院, 講師 (10444689)
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Keywords | 大腸癌転移マウスモデル / バイオマーカー |
Research Abstract |
本研究の基本モデルであるCPC ; Apcマウス(Apcヘテロノックアウト)とCDX2P-G22-Cre ; Apcマウスの飼育、観察を行ったところ、これらのマウスで腫瘍の発生がpublicationされたデータと異なることが判明した。このため、腸内細菌のコントロールを飲料水内の塩素濃度の調節を行い、飼育条件の設定を行った。これによりこの設定条件でCPC ; Apc+Krasマウス(Apcはヘテロでノックアウト)の作製を試みたが、Krasは胎生期の発達においてCDX2Pの転写活性をもつ領域でノックインを受けると胎生死を起こすことが判明した。このため、発現誘導型のCDX2P-G22-Cre ; Apc+Kras(Apcはホモでノックアウト)を作製した。このマウスでは腫瘍が発生することが観察された。病理所見として、分化度の低い、より悪性度の高い腫瘍が発生することが判明した。現在、CDX2P-G22-Cre ; Apc+Krasの発生頻度を高める組み合わせでの親マウスを作製済で、今後は、これらの親マウスから効率よくマウスを作製することが可能となった。現在、飼育の条件設定と、発現誘導型モデルによるダブルノックアウトが可能であることが、ApcとKrasのWnt5a,TGFb,p53マウスとの交配を進めていおり、23年度中には、Apc+Kras、Apc+p53,Apc+TGFb,Apc+Wnt5aマウスの作製が可能となり、腫瘍の回収とそれらの解析(トランスクリプトーム、プロテオーム、miRNA解析)などを開始するとともに、転移巣についての解析を進める。
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