2011 Fiscal Year Annual Research Report
解糖系亢進に関わる肺癌特異的スプライシング異常の臨床的意義と診断・治療への展開
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22390272
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐藤 雅美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30250830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 好宏 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60381159)
大塚 綱志 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40464466)
永田 俊行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (70611763)
島 礼 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 学部長 (10196462)
田沼 延公 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 主任研究員 (40333645)
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Keywords | 非小細胞肺がん / 解糖系 / ワールブルグ効果 / FDG-PET / スプライシング |
Research Abstract |
腫瘍細胞における異常な糖代謝(ワールブルグ効果)と関連する、肺がん特異的な解糖系酵素遺伝子スプライシング異常の意義と分子機構を明らかにすることを目的として、臨床検体の解析や、独自のシステム開発に取り組んだ。 1)臨床サンプルを用いた解析を進め、スプライシング解析をほぼ完了した。現在スプライシング解析の結果と、臨床情報との照合解析を進めている。また、異常との関係が示唆されているスプライシング因子の発現異常についてもお解析を行っている。Noguchi A/Bに分類される症例の解析から、ごく初期の肺がんにおいても、この異常がおきていることが強く示唆された。 2)レポーター遺伝子由来の蛍光タンパク発現を指標としてスプライシングパターンをモニターできる独自のシステム(スプライシングパターン可現化系)の開発に取り組んだ。この系を染色体に組み込んだスプライシング可視化マウス作製に向けて多くの予備的検討を行い、BACトランスジェニック法の採用を決定した。トランスジェニックコンストラクトがほぼ完成した。 3)ジーンターゲティングによるノックイン技術を用い、肺がんにおけるワールブルグ効果解消のin vivoモデル(ノックインマウス)構築に取り組んだ。相同組み換えES細胞を単離し、キメラマウスを作製し、ヘテロノックインマウス作出までを完了した。 これら取組みにより、スプライシング異常・ワールブルグ効果を標的とした新規肺がん治療開発に向け、次年度以降の研究展開に重要な独自システムの開発が大きく前進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災において、研究分担者が所属する宮城県立がんセンター(研究所)が被災するなどして、遺伝子改変マウスの作製に遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
動物モデル開発の遅れ等から、課題採択時に掲げた目標を予定研究期間内に完全に達成するのは難しい状況であるが、計画自体は着実に進展しており、引き続き、当初計画に準じて研究を推進する。
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Research Products
(2 results)