2011 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対する薬剤耐性遺伝子を用いた遺伝子・タンパク治療の研究
Project/Area Number |
22390277
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田宮 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50252953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 信行 香川大学, 医学部, 准教授 (40294756)
三宅 啓介 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (00398033)
岡田 真樹 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40457346)
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Keywords | ABCG2 / MGMT / Glioblastoma / Positron emission Tomography / Methionine / YKL40 |
Research Abstract |
今回我々は、薬剤耐性遺伝子(MDR1,MRP1,MRP2,MRP3,MRP5,ABCG2,MGMT,Topo II αなど)に注目し、薬剤耐性遺伝子の発現を脳腫瘍細胞で変化させ、抗がん剤や放射線療法などに対する治療効果を検討し、新しいmolecular therapyを開発したいと考えている。昨年度から今年度は、悪性グリオーマの薬剤耐性遺伝子・蛋白の発現の状態を詳細にヒト脳腫瘍および培養細胞で検討を行った。ヒト脳腫瘍組織とその培養ヒト脳腫瘍細胞を用いて、薬剤耐性(MDR1,MRP1,MRP2,MRP3,MRP5,ABCG2,MGMT,Topo II αなど)蛋白の発現の有無および局在を免疫組織学的に詳細に検討し、その培養細胞を用いて薬剤の抗腫瘍効果とタンパクの発現を比較検討し、さらにPET検査などの臨床症例での関係を検討した。その結果、悪性度の強いヒト悪性膠芽腫において薬剤耐性遺伝子蛋白の増幅が認められ、薬剤の抗腫瘍効果に耐性であった。また悪性脳腫瘍の臨床症例においてPETを用いた解析を行い、FLT-PET、Methionine-PETが悪性脳腫瘍に非常に有用でその取り込みは細胞増殖能と相関することに加え、この低酸素領域に集積がみられるFMISOの核種を用いたPETにおいて、その薬剤耐性遺伝子蛋白の発現や悪性度と正の相関が認められることを明らかとした。この成果を発表した。 また、遺伝子治療を行う上で抗腫瘍効果のある新たな遺伝子としてYKL-40遺伝子に注目し、その発現を抑制する物質であるresveratrolに注目しYKL40の発現を抑制し、それはERK1/2のリン酸化を介していることをヒト悪性膠芽腫細胞で明らかとし、発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から今年度にかけて、実験的、あるいはPET検査を用いた臨床的検討を行って、結果を得て、学会発表および論文掲載も行っている。次年度も同様に進行させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
具体的な実験計画は若干の変更があるが、悪性脳腫瘍の薬剤耐性遺伝子についての研究を、実験的、あるいはPET検査を用いた臨床的検討を行って、抗がん剤や放射線療法などに対する治療効果を検討し、当初の目的の新しいmolecular therapyを開発するために研究を継続する。
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Research Products
(4 results)