Research Abstract |
COX-2の発現レベルをグレードの異なるグリオーマ組織からRNAを抽出し、リアルタイムRT-PCR法で解析した。解析に用いたのは、82例のグリオーマ臨床サンプルで、グレード2が14例、グレード3が16例、グレード4が52例であった。 解析の結果、COX-2の発現はグレードと相関しており、グレード4で最も強い発現が認められた。次にこれらのグリオーマ組織でのCOX-2の発現を、YKL-40, CD44, Vimentinなどのmesenchymal markerやDLL3, BCAN, OLIG2などのproneural marker、それ以外にEGFR, FGFR, VEGFR, PDGFRなどのチロシンカイネース受容体遺伝子、さらにはCD133, Nestin, BMI-1, MELK, Notchなどの幹細胞マーカーとの発現の相関を解析した。またマイクロRNAがCOX-2の発現調節メカニズムに関与しているかを解析するためにグリオーマで重要な役割を果たしていると考えられている21個のマイクロRNA(, -105, -124a, -128a, -135b, -184, -196a-b, -200a-c, -203, -302a-d, -363, -367, and -504)との発現の相関も解析した。その結果、COX-2の発現はmesenchyaml markerの発現と幹細胞マーカーの発現に優位に相関していることが明らかになった。マイクロRNAとの相関ではmiR-21, -34a,-196aの発現と統計学的に優位に相関しており、これらのマイクロRNAがグリオーマにおけるCOX-2の発現を制御している可能性が示唆された。
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