2010 Fiscal Year Annual Research Report
microRNAによる脳腫瘍幹細胞能制御機構の解明と治療への応用
Project/Area Number |
22390280
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 昌弘 九州大学, 大学病院, 講師 (50380621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 幸司 九州大学, 大学病院, 講師 (70444784)
天野 敏之 九州大学, 大学病院, 助教 (70448413)
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Keywords | 脳腫瘍幹細胞 / microRNA / 悪性神経膠腫 |
Research Abstract |
脳腫瘍幹細胞分離を目的に悪性神経膠腫摘出標本より幹細胞培養と通常培養の2系統での培養を継続した。その内、長期培養(20継代以上)が可能であった4細胞株を樹立した。幹細胞マーカー(CD133, Nestin, Sox2, Bmil)と分化・増殖マーカー(YKL40, CD44, PCNA, TOP2A, Olig2, DLL3, GFAP)の発現解析を行った。さらに摘出標本と幹細胞培養下に継代した幹細胞様細胞において網羅的microRNA (miRNA)発現解析を行い幹細胞様細胞において33個の高発現miRNAと101個の低発現miRNAを同定し、その中から幹細胞能、悪性度への関与が示唆された21種類のmiRNA (miR-196a, b, 21, 105, 124a, 128a, 135b, 15b, 184, 200a-c, 203, 302a-d, 34a, 363, 367, 504)の発現解析を長期培養した4細胞株を用いて行った。幹細胞培養下で継代した幹細胞様細胞では、長期継代においても遺伝子型が保持されており、幹細胞マーカーの発現が高い傾向にあり、YKL40の著明な低下を認めた。miRNA発現に関しては、膠芽腫で高発現しているmiR-196は幹細胞培養下でも高発現が保持されており、miR-196低発現細胞株にmiR-196を強制発現させると増殖能があがり、細胞死が抑制されることがわかった。その他のmiRNAに関しては、miR-21を除き、発現は低下していた。また、乏突起膠腫における167個のmiRNA発現の解析をすすめ、乏突起膠腫においてmicroRNA発現が全体的に低下し、miR200a-cがその悪性度に関与している事が示唆された。さらに遺伝子型とmiRNA発現の関連を同定する事を目的に8例の膠芽腫サンプルにおいてSNPアレイを用いた解析を行った。
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Research Products
(5 results)