2011 Fiscal Year Annual Research Report
microRNAによる脳腫瘍幹細胞能制御機構の解明と治療への応用
Project/Area Number |
22390280
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
溝口 昌弘 九州大学, 大学病院, 講師 (50380621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 幸司 九州大学, 大学病院, 講師 (70444784)
天野 敏之 九州大学, 大学病院, 助教 (70448413)
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Keywords | 脳腫瘍幹細胞 / microRNA |
Research Abstract |
脳腫瘍標本より核酸抽出、神経膠腫解析パネル作成:九州大学脳神経外科手術症例のうち、神経膠腫136例(glioblastoma74例、anaplastic astrocytoma16例、anaplastic oligodendroglioma18例、diffuse astrocytoma 15例、oligodendroghoma 13例)より神経膠腫上解析パネルを作成した。 脳腫瘍標本におけるmicroRNA発現析:我々が網羅的解析により同定した神経膠腫悪性化に関与する13個のmicroRNA(miR-196a,-196b,-21,-15b,-105,-504,-135b,-363,-367,-302a,-302b,-302c,-302d)および近年同定された幹細胞、神経膠腫関連microRNA9個(miR-200a-200b,-200c,34a,-184,-124a,-124a#,-128a,-203)を前述したパネルを用いて発現解析を行った。miR-21,-196が悪性化に伴い有意に発現が亢進し、miR-128aの発現が低下することを同定した。 脳腫瘍幹細胞樹立:脳腫瘍摘出標本より幹細胞培養条件下に培養し、脳腫瘍幹細胞を樹立し、継代した。4つの長期継代幹細胞株を樹立した。 脳腫瘍幹細胞の分化誘導:樹立した脳腫瘍幹細胞をB-27supplement、N-2supplement下にneuron、astrocyteへの分化誘導を行い、stemness、neuron、astorocyteマーカーを用いた免疫染色にて分化度を確認した。 動物移植モデルの作成:樹立した脳腫瘍幹細胞を免疫不全マウスに移植し、脳腫瘍幹細胞モデルの作成を行い、幹細胞能評価を行う動物移植モデル作成を開始し、移植モデル作成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
microRNA発現解析用のグリオーマパネルを作成し、臨床サンプルでのスクリーニングが可能となった。幹細胞培養も継続し、長期継代培養細胞株を確立した。移植モデルの作成にも成功し、in vitro、in vivoの実験系が確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍幹細胞を用いた、in vitro、in vivoの実験系を確立させる。臨床上有意に発現が変動しているmicroRNA、幹細胞の分化過程において変動するmicroRNAを標的とし、mimic、inhibitorを用いてその発現制御を行い、幹細胞能(自己複製能、増職能、分化能)および腫瘍形成能を制御できるかを検討する。さらに臨床応用を目指し、通常の化学療法とmicroRNAを標的とした制御による腫瘍制御に関して検討を進める。
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