2011 Fiscal Year Annual Research Report
石灰化と粥腫不安定性よりみた内膜剥離術かステントかの治療選択基準の確立
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22390282
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 和雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90150341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 広之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30295612)
間瀬 光人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60238920)
梅村 淳 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00244567)
相原 徳孝 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00264739)
谷川 元紀 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20343402)
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Keywords | 頸動脈粥種 / 内膜剥離術(CEA) / ステント装着術(CAS) / 3次元CT血管撮影(CTA) / VEGF / HIF1α / 血管平滑筋細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
頚動脈狭窄症の外科治療法として内膜剥離術(CEA)とステント装着術(STENT)があるが、その適応には病変の石灰化度、粥腫の量、偏在などが問題となる。本研究ではこれを科学的に判定する方法を開発することを第1の目的とした。このためCEAで得られた組織の性状や新生血管の程度と術前のMRIやCTAの画像を対比検討した。その結果、VEGFやHIF-1αなど新生血管の程度を示す組織マーカーの量と症候性病変であることが優位な相関を得た。またMRIでの粥腫の量との間にも相関傾向を得た。さらに内膜肥厚と若年者喫煙の有無との間にも優位の相関が得られた。一方、CTAを解析することで、組織の石灰化の程度を分析することが可能で、さらにアガツトンスコアを計算することで、定量化も可能になった。この結果、組織の石灰化はむしろ無症候性が多く見られ、冠状動脈とは異なり、石灰化は危険因子にはならないことが明らかにできた。また組織のリモデリングの程度と症候性か無症候性か、また石灰化の程度を対比検討すると、症候性病変には正のリモデリングを示し石灰化を認めず、無症候性病変には負のリモデリングを示し、石灰化を認めるものが多く見られた。この結果は冠状動脈とは異なる結果であり、今後の分析が必要と考えている。これと関連して、無症候性頸動脈狭窄症の全国調査(CASTER研究)を行っているが、これまでに750例の登録が得られた。これらは内科的治療63%、外科治療23%(CEAとSTENTが半分づつ)、無治療経過観察群12%に分かれた。超音波検査との関連では内科的治療群や経過観察群に等輝度~高輝度群が多く見られ、外科治療群に低輝度や混合輝度病変が多く見られた。現在、中間解析に段階であるが、内科的治療群の脳卒中発症率が3.2+%/年であった。現在これらのデータを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織の分析は少し遅れているが、画像検査データと粥腫の性状や新生血管の程度との関連分析はほぼ完了しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
我々の研究室で行ってきた頸動脈粥腫の組織標本と臨床像、画像検査データとの対比については、一定のデータが得られている。今後は無症候性病変が症候性病変になり治療が必要となる状態への移行のメカニズムを明らかにしたい。このためには全国規模での調査が必要であり、現在750例の集積が図られ、これを分析中である。
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Research Products
(4 results)