2012 Fiscal Year Annual Research Report
ショットガンプロテオミクスを用いた脊髄損傷後の予後予測バイオマーカーの同定と応用
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22390292
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 誠司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30448435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 恭行 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80448430)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / バイオマーカー |
Research Abstract |
脊髄損傷に於いて受傷早期に麻痺の予後予測を行うことは、治療方針決定や早期の治療体系確立の上でも非常に重要な課題である。しかし、現状ではMRI等によっても正確な予後予測は困難であり、最終的な麻痺の程度を予測するためには少なくとも数ヶ月程度の経過を観察する必要がある。特に近年は、細胞移植療法が脊髄損傷に対する新規治療法として期待されているが、現在のところ急性期から亜急性期にしか移植の有効性はみとめられていないため、急性期の予後予測はこれらの新規治療の効果判定にとっても必要不可欠である。本研究において我々は、マウスを用いた動物実験と、新規プロテオミクス解析であるMudPIT法による網羅的な新規バイオマーカーの探索を行った。脊髄に定量的な圧挫損傷を作成後、経時的に尾静脈から採血し、まず血清グロブリンとアルブミン除去カラムを用いてQstar EliteSystem with nanoLC systemにて網羅的タンパク質発現解析を行なったが、主としてケラチン混入による測定誤差が大きく、微量である目的タンパク質の同定にはいたらなかった。そこで、サンプル採取条件を厳密にし、アルブミン、IgG/M、フィブリノーゲン、トランスフェリン、α1アンチトリプシン、ハプトグロビンの7種類を除去するプロテオミクス解析に特化したアフィニティカラムを用いて同様の試みを行ったが、既知のマーカーであるpNF-Hのみが損傷程度と相関した発現を示した。しかし、発現の推移は損傷程度と相関せず、実用性は低いと考えられた。バイオマーカーと同時に、損傷程度と浸潤量が相関する炎症細胞が持つ自家発光をルミノール試薬にて増強させ、バイオイメージングにて自家発光を定量化することで予後予測へ繋げる試みを行ったが、マウスモデルにおいては損傷部の発光量と損傷程度に有意な相関が見られ、臨床応用の可能性へと繋がる成果であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)