2013 Fiscal Year Annual Research Report
荷重の増減による間葉系幹細胞から骨・血管・脂肪への分化調節機構の解明とその制御
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22390295
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
酒井 昭典 産業医科大学, 医学部, 教授 (90248576)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 荷重 / 骨髄細胞 / 海綿骨 / 皮質骨 / p21 / PTH/PTHrP受容体 / アルデヒド脱水素酵素 / 骨膜 |
Research Abstract |
荷重増減下での骨髄細胞の分化調節機構の解明とその制御法を開発することを目的に研究を行っている。平成25年度は、アルデヒド脱水素酵素2(aldh2)遺伝子欠損マウス[aldh2(-/-)]と正常な野生型マウス[aldh2(+/+)]の大腿骨と脛骨を用いて実験を行った。具体的には、荷重の増加モテルとして、最高部に給水瓶を設置した高さ1メートルの金網製ケージ内で飼育したマウスを用いた。荷重の減少モデルとして、尾部懸垂マウスを用いた。海綿骨と皮質骨で評価した。 7週齢のaldh2(-/-)とaldh2(+/+)それぞれに、4週間、水を飲ませる群(+wa)と5%エタノールを飲ませる群(+al)で比較した。脛骨近位二次海綿骨量は、aldh2(-/-)+wa群とaldh2(+/+)+wa群とaldh2(+/+)+al群では差がないが、aldh2(-/-)+al群だけが有意に減少していた。海綿骨梁表面における骨形成が低下していた。骨髄細胞中の骨芽細胞系細胞のp21遺伝子発現が亢進し、G2期で細胞周期が停止していた。オステオカルシンの発現が低下していた。一方、5%エタノールの負荷に関わらず、aldh2(-/-)の大腿骨骨幹部の骨横断面の外径は、aldh2(+/+)と比べて小さかった。1週間荷重を負荷すると、aldh2(+/+)では大腿骨と脛骨の皮質骨におけるPTH/PTHrP受容体のmRNA発現が有意に増加し、外骨膜性骨形成が促進されるが、aldh2(-/-)ではPTH/PTHrP受容体のmRNA発現が全く増加せず、外骨膜性骨形成が促進されなかった。 これらの結果から、aldh2遺伝子欠損状態下で、海綿骨における骨芽細胞分化は、エタノール負荷により抑制されること、一方、皮質骨では、エタノール負荷に関わらず、荷重を増加しても外骨膜性骨形成反応が生じないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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