2012 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的ゲノム解析による前立腺癌バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
22390306
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中川 英刀 独立行政法人理化学研究所, バイオマーカー探索・開発チーム, チームリーダー (50361621)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 前立腺がん / ゲノム / バイオマーカー |
Research Abstract |
これまで、我々が行ったきた前立腺がんのGWAS(ゲノムワイド関連解析)において、日本人集団の前立腺がん発生と強い関連が証明された16個のSNPを組み合わせて、日本人の前立腺がん発症のリスク診断法を開発した。血液検査でそれらのSNPの有無を判定し、それぞれのSNPが持つ前立腺がん発症リスクを積算して、その個人が持つ前立腺がん発症リスクを推定するものである。このリスク診断法について、日本人とアメリカ在住の日系人、合計4,963人の前立腺がん罹患者と8,035人の対照群で試したところ、その精度と再現性を確認することができた。このSNPによる前立腺がんのリスク診断法の指標は、従来のPSA検査とは独立したものであるため、PSA検査と組み合わせることで前立腺がんの診断精度を向上させることが期待できる。そこで、PSA検査において最もその診断精度に問題がある異常値と基準値の境界領域(グレーゾーン;PSA血清値が4~10 ng/ml)の男性に着目し、過去に報告されたデータやSNP情報から、前立腺がん発症リスクを計算した。通常PSA検査でグレーゾーンの男性の場合、前立腺針生検によって前立腺がんが発見されるのは20%ほどであるが、今回のSNP検査を適応した場合、グレーゾーンの男性の4分の1は前立腺がん発症の低リスク群に入り、前立腺がん発症リスクが10%未満となることが予測できた。従来のPSA検査でグレーゾーンだった男性の多くは、身体的な負担が大きくさまざまな合併症の危険を伴う前立腺針生検を不必要に受けている。今後、PSA検査にSNP検査を補足すると、精度の高い診断結果が得られ不必要な前立腺針生検を回避できる可能性があり(前立腺がん検診の個別化)。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Evaluating genetic risk for prostate cancer among Japanese and Latinos2012
Author(s)
Cheng I, Chen GK, Nakagawa H, He J, Wan P, Laurie C, Shen J, Sheng X, Pooler LC, Crenshaw AT, Mirel DB, Takahashi A, Kubo K, Nakamura Y, Al Olama AA, Benlloch S, Donovan JL, Guy M, Hamdy FC, Kote-Jarai Z, Neal DE, Wilkens LR, Monroe KR, Stram DO, Muir K, Eeles RA, Easton DF, Kolonel LN, Henderson BE, Le Marchand L, Haiman CA
-
Journal Title
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev
Volume: 21
Pages: 2048-2058
-
-
-
-
-