2012 Fiscal Year Annual Research Report
多嚢胞性卵巣症候群の新たな病因の解明-胎生期における性腺細胞の分化異常
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22390307
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
水沼 英樹 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10125875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 理恵 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (30513379)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 多嚢胞性卵巣症候群 / AMH / 子宮低形成 |
Research Abstract |
本研究は多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の発症に、胎生期における性腺細胞の分化異常、すなわち顆粒膜細胞のセルトリ細胞化が起こっているのではないかという仮説を立て、これを実証することを目的に平成23年度から3年計画でこの事業を開始した。性腺の分化異常を呈する代表的な疾患であるRokitansky-Kuster-Hauser症候群ではしばしばPCOSを伴うこと、またPCOSの病態の中心にはアンドロゲン過剰分泌が存在することが、本仮説の出発点である。そこで、本研究では、平成23年度PCOSの卵巣に発現する遺伝子を網羅的に解析し、正常排卵周期を有する女性の卵巣に発現している遺伝子との比較検討を行った。その結果、精巣組織に特異的な遺伝子で正常卵巣に比べPCOS卵巣組織に有意に高く発現している遺伝子としてINSL3、GSTA2、NEK2、 ACE 2、CITED1、 LOC81691、ZPBPなどを同定でき、逆に、KIF2C、MLF1IP、CCNB2、A_19_P0080220、AKAP9はPCOSでの発現が低下していることが示され、PCOSの卵巣では精巣に特異的な遺伝子も発現している事を示した。そこで、さらにセルトリ細胞に特異的なマーカーとされるSox9, translation initiation factor(TIF)1,TIF2が、PCOS卵巣組織で発現しているか否かを検討した。しかし、これらのマーカーは正常卵巣でも、PCOS卵巣でも同定できず、卵巣組織にはセルトリ細胞に特異的な遺伝子の発現は確認できず、本研究の仮説は成立しない事が判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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