2010 Fiscal Year Annual Research Report
Lipid raftによるOHC細胞骨格制御機構-聴覚における脂質の機能解明-
Project/Area Number |
22390315
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
欠畑 誠治 山形大学, 医学部, 教授 (90261619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 伸哉 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00312158)
和田 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111264)
村越 道生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70570901)
丸屋 信一郎 国際医療福祉大学, 大学病院, 講師 (90396408)
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Keywords | 内耳 / 外有毛細胞 / Lipid raft / パッチクランプ法 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
細胞内情報伝達の重要な場として注目を集めているLipid raftを介した外有毛細胞(OHC)細胞骨格制御機構(actin remodeling)の情報伝達機構を多角的に解析し、Lipid raftの形成・維持に重要な役割を果たしている脂質の動態が、蝸牛増幅機能・聴覚に及ぼす効果を細胞レベルで解明する。 1.運動能計測の新しい手法の開発 従来の運動能は、パッチクランプ電極より15mVのstep-pulseを与え、その細胞長変化をDynamic Image Analysis System(DIAS)を用いて細胞形態の経時的変化を測定していた。Non-linear capacitance(NLC)はTwo-sign voltage stimulus protocol(0.2s)にて別個に測定を行っていた。NLCが最大値を示す電位(Vpkcm)と運動速度が最大となる電位(Vh)は本来同一であるべきものであるが、これまでの手法では20mV以下の乖離を示す事が知られていた。そこで、Two-sign voltage stimulu sprotocolを-160mVから+110mVの電位を2秒間かけて連続的に負荷し、その細胞長の変化を経時的に測定する方法を開発した。これにより、簡便に運動能とNLCを同時に計測することが可能となり、従来の断続刺激による運動能測定と比較しても、運動能に有意差を認めなかった。また、VpkcmとVhの差も5mV以下に抑えられた。 2.OHC機能に対するmethyl-beta-cyclodextrin(MβCD)投与効果のpatch clamp法による直接的解析guinea-pigより単離した蝸牛外有毛細胞にlipid raft阻害剤であるMβCDをマルチバレルにて投与しOHCの機能解析を行ったところ、細胞が短縮し、capacitanceが脱分極方向へ変位を確認した。 3.patch clamp法によるLipid raft細胞内情報伝達機構の解析 低分子量G蛋白のア:ゴニストであるGTPγSを細胞内液に溶解し100μMとしてパッチピペットのガラス電極を通じてOHC内に投与・作用させた後に細胞外からMβCDを投与した。その結果コントロール群ではNLC curveが脱分極方向へ大きくshiftしたが、GTPγSを作用させた群ではMβCDによる効果が抑制された。
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Research Products
(1 results)