2010 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障性神経障害:網膜から高次脳神経及びグリア細胞に及ぶ系統的器質障害機構の解明
Project/Area Number |
22390321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相原 一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80222462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河崎 洋志 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50303904)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
間山 千尋 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50570701)
藤川 恵子 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 客員研究員 (70374246)
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Keywords | 緑内障 / 網膜神経節細胞 / 外側膝状体 / フェレット / サル / 神経細胞死 / フラボノイド / 神経保護 |
Research Abstract |
1. RGC死およびグリア細胞を介したRGC死の機序の更なる解明と神経保護法め探索 (1) ラットRGC初代単離培養系を用いて、グルタミン酸負荷、酸化ストレス負荷、低酸素負荷において、自然界植物から摂取可能なフラボノイドを抽出精製して、その保護効果を検討し、過去に報告された神経保護作用を持つ薬剤と比較して、非常に低濃度で効果を呈する物質を見いだした。アポトーシスおよびネクローシス系細胞死双方に効果的な抗酸化作用を持つと考えられ、今後神経保護薬として有望と考える。(論文として発表済み) (2) ラットRGC初代単離培養系を用いて、圧負荷によりグルタミン酸誘導細胞死に対する閾値が変化することを見いだし現在論文投稿中である。緑内障性神経細胞死には圧負荷が重要であるが、二次的にはグルタミン酸による細胞死も関与していると考えられ双方の相互作用を初めて見いだした。 1. マウス、フェレット、サルを用いた緑内障動物モデルの作成と網膜視神経病変の多面的解析 (1) フェレットに対して独自の手法であるartificial epithelial downgrowth法にて高眼圧モデルを作成することに成功した。現在、組織学的に障害された視神経及び二次的に障害された高次脳神経の外側膝状体の解析を行っている (3)マウス、フェレットおよびサルを用いた緑内障動物モデルにおける中枢病変の多面的解析 (1) 高眼圧サルを作成し、中枢病変としての外側膝状体の細胞死に小胞体ストレスが関与していることを見いだした。(論文発表済み)将来的に現在の眼圧下降治療だけでなく、中枢病変をターゲットにした治療薬の開発に役立つものと考える。 (4) 蛍光発現RGCマウスを用いたRGC障害の非侵襲的且つ経時的、定量的評価系を用いた障害機序及び治療効果の多面的研究 (1)RGCに蛍光を発するCFPマウスを購入繁殖する。蛍光眼底撮影により網膜細胞を直接観察し、独自のコンピューター画像解析プログラムを開発し発表予定である。本法により簡便に研究が進行するものと考える (2)Vav2,3遺伝子改変マウスが自発的に高眼圧を呈する緑内障モデルとして有用であると考え、研究分担者(藤川恵子)を1追加し、今後の実験遂行に向けてマウスの繁殖を行っている。
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[Journal Article] Involvement of endoplasmic reticulum stress on neuronal cell death in the lateral geniculate nucleus in the monkey glaucoma model.2011
Author(s)
Ito Y, Shimazawa M, Inokuchi Y, Yamanaka H, Tsuruma K, Imamura K, Onoe H, Watanabe Y, Aihara M, Araie M, Hara H.
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Journal Title
Europian Journal of Neuroscience
Volume: 33
Pages: 843-855
Peer Reviewed
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