2010 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性症に対する骨髄由来幹細胞薬剤賦活と低線量・低線量率放射線治療の実現
Project/Area Number |
22390323
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 篤史 京都大学, 医学研究科, 講師 (30314222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 助教 (20372162)
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Keywords | 網膜色素変性 / 骨髄由来幹細胞 / GCSF / 低線量放射線 / 神経保護 / エリスロポエチン |
Research Abstract |
薬剤濃度はGCSF150μ/kg,EPO500IU/kg、GCSF100μ/kg,EPO500IU/kgのセットをrd12マウスに3週間に一度の皮下注射を行った。rd12は他の変性モデルと比較して進行が遅く、長期効果の判定には価値がある。1カ月から12カ月以降まで機能(網膜電図)と構造(組織化学的,光干渉断層計OCTによる検討)の検討ではどちらの指標においてもGCSF,EPO投与マウスがコントロールマウスに比べ有意に網膜構造と機能が保護されていた。体重など生体への影響も確認した範囲では投与群、コントロール軍とも差はなく、GCSF150μ/kg,EPO500IU/kg投与での安全性が確認された。 低線量放射線では、これまで使っていたベータ線に加えガンマ線、エックス線での効果を検証中である。また、より低線量による効果を検討している。また、鉛を使って線量調節をしていたが、直接低線量を照射したときの効果も検証した。 錐体細胞機能の評価はハンフリー視野計10-2中心視野プログラムを6ヶ月ごとの測定をほぼ全ての典型的色素変性症患者で行った。多くの患者で進行が検出され、進行予測に最も有効なプログラムを開発中である。特に中心視野の変化では個人によって大きな進行の差があり、治療効果の判定だけでなく、治験の際の症例選択にも注意を要することが分かった。 眼底断層診断装置による形態的評価では網膜変性症の新たな所見を見出した。クリスタリン網膜症における網膜外層の視細胞層の球状変化、小口病における視物質代謝の変化をOCTで可視化、網膜色素変性での色素上皮細胞の変性パターンの違いが病態に関連することなど、学会で発表、現在投稿準備中である。
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Research Products
(5 results)