2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390326
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坪田 一男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40163878)
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Keywords | ドライアイ / 涙腺 / 加齢 / 酸化ストレス / 角膜 / 機能性食品因子 |
Research Abstract |
加齢・酸化ストレス亢進による、涙液分泌機能低下を介したドライアイの発症機序、およびその分子メカニズムを解明する事を目的としている。ドライアイは視力に影響をおよぼす疾患であり、加齢性変化と重症度に関係すると言われている。その他にも涙腺の加齢による酸化ストレス状態の亢進によって生じるドライアイは多いにも関わらず、涙腺の加齢とドライアイ発症の分子メカニズムに関して詳細に検討している報告は殆どない。また実際の臨床の場でも根治療法はなく、人工涙液の補充、涙点プラグ等の対症療法が主流であるが効果は不十分であり、涙液量を亢進させる治療法は皆無である。我々は加齢による酸化ストレス亢進と涙液分泌機構の関係を次々に明らかにしており、加齢性変化による涙液分泌量の減少を機能性食品因子による長寿遺伝子の活性化または酸化ストレスを抑制することにより涙液量の減少が抑制される結果を得た。そこで初年度は抗酸化酵素欠損マウスを用いることによってドライアイの病態に深く関与する涙腺破壊と酸化ストレスの関係を動物レベルで詳細に検証した。その結果、本マウスはドライアイの主病変、涙液保持能力の低下、角結膜障害をきたし、ヒトと酷似したドライアイ様病変を示した。今後も継続して加齢性の遺伝子改変マウスおよび酸化ストレス亢進マウスを利用し、加齢がおよぼす涙液分泌機構の詳細な分子メカニズムとドライアイ様病変への影響を明らかにする。これら加齢性変化と涙液分泌機構の分子メカニズムを解明することはドライアイの新しい予防療法、治療法を開発する上で重要と考えられる。
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