2013 Fiscal Year Annual Research Report
眼疾患に対する遺伝子導入、細胞移植、再生医療を融合した新規治療の開発
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22390327
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
東 範行 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 医長 室長 (10159395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世古 裕子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部 視覚機能障害研究室その他部局等, 室長 (60301157)
梅澤 明弘 独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 副所長/再生医療センター長 (70213486)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医学 / 遺伝学 / 遺伝子・細胞治療 / 角膜 / 網膜 |
Research Abstract |
・遺伝子・細胞治療関連 1)マウス実験で、GFP発現細胞を網膜内に移植し、病理標本の免疫染色によって細胞の生着状態を評価した。 ・再生医療関連 1)先天無虹彩を含む眼形成異常におけるPax6の変異検索は、さらに変異同定を増やし、23例に見出した。網膜・視神経機能の詳細な検討を行い、遺伝子のハプロ変異型と表現型の重症度に相関があることを明らかにした。2)ヒト小児患者由来の細胞および多能性幹細胞を用いた網膜組織の分化誘導系 小児ヒト材料を用い、網膜および虹彩から多分化能をもつ細胞と分離した。また、虹彩と網膜の細胞から、それぞれiPS細胞を作成した。iPS細胞を浮遊培養し、FBS濃度や、マトリゲル濃度、誘導因子の調整によって、内因性遺伝子の誘導によって初期眼胞の形成、一部の網膜細胞への分化誘導に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子・細胞治療では、動物実験であるが、新規方法に成功した。新しい観察系を開発した、臨床応用とは異なるが、評価に有用である。 遺伝子変異の検索では、新規変異を多数発見した。現在、機能解析を進めている、これによって再生にも用いることができる組織分化の遺伝子システムが明らかになると期待される。 iPS細胞を含む多能性幹細胞から、初期の眼組織ことに網膜細胞を作成できたことは大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子治療では、動物による実験を繰り返して、効果と安全性を確認し、臨床応用を目指す。 形態形成遺伝子の研究では、遺伝子変異による疾患の発生機転を明らかにするとともに、形態形成における上流下流の遺伝子メカニズムを明らかにする。 再生医療では、網膜細胞を作成して、動物実験に進める。同時に、in vitroでの分化における上記形態形成遺伝子のメカニズムを検討する。
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