2010 Fiscal Year Annual Research Report
難治性横紋筋肉腫の病態に基づいた新規診断・治療法の開発
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22390329
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
細井 創 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20238744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家原 知子 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (20285266)
小野 滋 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (00315962)
土屋 邦彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90381938)
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40453104)
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Keywords | 横紋筋肉腫 / 血清診断 / microRNA / miR-206 / 腫瘍マーカー / 分子標的療法 / 融合遺云子 / PAX3-FKHR |
Research Abstract |
1. 横紋筋肉腫の腫瘍マーカーの同定と患者血清による診断への応用 現在、横紋筋肉腫に特異的な血清腫瘍マーカーは存在しない。横紋筋肉腫腫瘍検体においては、筋特異的microRNAであるmiR-206が、他の小児がん腫瘍検体に比べて高発現しており、これが横紋筋肉腫患児の血清診断に応用できると考え検討を行った。結果として、横紋筋肉腫患児の血清中のmiR-206の発現レベルは、他の小児がん患児に比べて高く、感度1.0、特異度0.913と高い診断精度を示した。横紋筋肉腫の治療後にmiR-206の発現の低下を認め、後に再発した症例では発現の再上昇を認めた。miR-206は、横紋筋肉腫診断における有望な新規血清腫瘍マーカーである(Miyachi M, Tsuchiya K, Hosoi H, et al. Biochem Biophys Res Commun2010;400:89-93)。 2. 横紋筋肉腫の病態解明に基いた新規分子標的治療薬の開発 胞巣型横紋筋肉腫の5年生存率は50%以下で予後不良である。我々は、胎児型横紋筋肉腫自験例に認めたキメラ遺伝子PAX3-NCOA2の腫瘍形成に果たす役割を、胞巣型横紋筋肉腫に認めるキメラ遺伝子PAX3-FKHRと比較して検討を行った。結果として、PAX3-NCOA2はPAX3-FKHRと比較して弱い腫瘍形成能を持つことを明らかにした。両者とも横紋筋肉腫細胞の増殖能を高め、分化能を阻害することにより腫瘍化に寄与していることが示唆される結果を得た。今後、PAX3-FKHRとPAX3-NCOA2に共通して発現の変動する遺伝子を標的にした治療法の開発を行っていく。
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Research Products
(4 results)