2012 Fiscal Year Annual Research Report
光イメージングによる癌転移機構解明‐メラノーマがリンパから血流に入る瞬間を捉える
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22390330
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 洋志 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 有平 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70271674)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533630)
林 利彦 北海道大学, 大学病院, 助教 (00432146)
齋藤 亮 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70507574)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / リンパ浮腫 / in-transit転移 / マウス |
Research Abstract |
【目的】昨年度までにマウス後肢リンパ浮腫モデルの作成に成功し、同モデル動物へのmelanomaの同系移植の実験系を確立した。その過去に報告の無い実験系により、リンパ浮腫状態では遠隔転移が増加することが明らかとなった。本年度はリンパ浮腫状態で遠隔転移が増加したメカニズムの解明を目的として研究を行った。 【方法】C57BL/6マウスの後肢を放射線照射とリンパ管結紮によってリンパ浮腫状態にした。リンパ浮腫状態の後肢足底にB16-F10melanoma(ホタルの発光遺伝子を組み込んだもの)を移植した。生体発光を利用して腫瘍の進展様式を検討した。また腫瘍組織を採取して組織学的な検討、分子生物学的な検討を行った。 【結果】リンパ浮腫状態のマウス後肢にmelanoma細胞を移植すると、in-tranist転移を生じたのち、遠隔リンパ節である腋窩リンパ節へ転移した(遠隔リンパ節への転移は血行性ではなくリンパ行性であることを確認した)。リンパ浮腫状態に移植された腫瘍組織では血管・リンパ管の増加及び拡張がみられた。in-transit転移した腫瘍は細胞増殖活性が高まっていたが、上皮間葉転換を示す遺伝子発現パターンは観察されなかった。 【考察】実験の過程でmelanomaのin-transit転移が観察された。今までに動物実験でin-transit転移を再現したという報告は例がなく、世界初であると考えられた。その動物実験モデルを用いてin-tranit転移の性質を解析したところ、細胞増殖活性が高まっており、遠隔転移が増加した要因の一つであると考えられた。一方in-transit転移では上皮間葉転換は起こっていないことが示唆され、遠隔転移の増加は別のメカニズムによると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)