2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動神経信号付加は本当に起こっているのか?~顔面表情筋mRNA発現変化を捉える~
Project/Area Number |
22390331
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 有平 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70271674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関堂 充 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (40372255)
羽藤 直人 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60284410)
古川 洋志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00399924)
小山 明彦 北海道大学, 病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10533630)
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Keywords | 顔面神経不全麻痺 / 神経信号付加 / 神経端側縫合 / リアルタイムPCR / Myogenin |
Research Abstract |
顔面神経麻痺に対する再建後の運動神経信号の付加が起こっていることを確認するために,顔面表情筋で発現するメッセンジャーRNAであるMyogeninに注目した。Myogeninは筋細胞の分化に重要な役割を果たす遺伝子である。予備的な実験として,ラットを用いて顔面神経本幹を切断したモデルと,切断直後に断端同士を縫合したモデルを作成し,1~28日後の期間,時系列で上口唇の筋肉におけるMyogeninの発現をアガロースゲルによる電気泳動で定量的解析を行い,その後リアルタイムPCRを用いて定量解析を行った。同時に,同じく時系列で眼輪筋の採取を行い,眼輪筋の垂直断面における筋細胞の断面積を測定した。また,逆行性神経トレーサーにより,縫合モデルにおける神経繊維の連続性を確認した。結果,アガロースゲル電気泳動においては両モデルにおいて術直後からMyogeninの発現の上昇が認められ,7~14日後にピークを認めたが,その後発現の低下速度には明らかな差が認められ,切断後縫合モデルにおいてより速やかな発現低下を認めた。又リアルタイムPCRにおいては,切断モデルにおいて術後14日まで発現の上昇が認められた後,速やかに発現の低下が認められたのに対し,切断後縫合モデルにおいては4日で発現がピークを迎え,その後徐々に低下を認めた。更に筋細胞の断面積の解析では切断モデルでは筋萎縮の進行が期間中続いたのに対し,切断後縫合モデルでは筋萎縮の進行が遅くなる傾向を認めた。また,神経トレーサーにより術後7日で脳幹の顔面神経核にトレーサーが到達したのが確認され,その時点での神経の連続性を確認した。これらの実験の結果は筋細胞分化において発現が増加し,神経信号による刺激で発現が低下するとされるMyogeninにおける過去の実験結果に矛盾しないと考える。今後,神経端側縫合により神経信号を付加した際のMyogenin発現及び筋細胞の評価により神経信号付加の証明と,それによる顔面表情筋に及ぼされる変化が解析されると考える。
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Research Products
(3 results)