2011 Fiscal Year Annual Research Report
運動神経信号付加は本当に起こっているのか??顔面表情筋mRNA発現変化を捉える?
Project/Area Number |
22390331
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 有平 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70271674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 洋志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00399924)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
舟山 恵美 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10533630)
林 利彦 北海道大学, 大学病院, 助教 (00432146)
斎藤 亮 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (70507574)
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Keywords | 顔面神経不全麻痺 / 神経信号付加 / 神経端側縫合 / リアルタイムPCR / Myogenin |
Research Abstract |
顔面神経麻痺に対する再建後の運動神経信号の付加が起こっていることを確認するために,顔面表情筋で発現するメッセンジャーRNAであるMyogeninに注目した。ラットを用いて顔面神経本幹を切断したモデルと,切断直後に断端同士を縫合したモデルを作成し,1~28日後の期間,時系列で上口唇の筋肉におけるMyogeninの発現をリアルタイムPCRを用いて定量解析を行った。同時に,同じ時系列で眼輪筋の採取を行い,眼輪筋の垂直断面における筋細胞の断面積を測定した。また,逆行性神経トレーサーにより,縫合モデルにおける神経繊維の連続性を確認した。今回はそれに加えて顔面神経本幹を血管クリップで絞扼し,顔面表情筋の不全麻痺モデルを作製し,同様にリアルタイムPCRを用いてMyogeninRNA発現の定量を行った。結果,不全麻痺モデルでは切断モデルにおいて術後14日まで発現の上昇が認められた後,速やかに発現の低下が認められ,切断後縫合モデルにおいては4日で発現がピークを迎え,その後徐々に低下を認めたのに対し,明らかなピークを認めず,発現量も切断モデルと切断後縫合モデルの間の値を示した。そして3種類のモデルのいずれにしても術後28日にはほぼ同等の低い値にRNA発現が収束する傾向が認められた。これらの実験の結果は筋細胞分化において発現が増加し,神経信号による刺激で発現が低下するとされるMyogeninにおける過去の実験結果に矛盾しないと考えられた。今後,顔面神経本幹に舌下神経を端側縫合したモデルを作製し,それぞれ中枢側の顔面神経本幹を切断した完全麻痺モデル,更にクリップにより不全麻痺モデルを作製し,それぞれについてMyogeninRNA発現を定量し,神経端側縫合により神経信号を付加した際のMyogenin発現及び筋細胞の評価により神経信号付加の証明が解析されると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経端側縫合は手術手技的に高度な技術を要する為,手技の安定に時間を要した.また,不随する予備実験として逆行性神経トレーサーの顔面表情筋注入後の時系列での動静についてin vivoイメージによる把握を試みた為,現時点では実験計画より進行がやや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は神経端側縫合モデルにおいて完全麻痺モデル及び不全麻痺モデルでMyogeninRNA発現を解析し,同時に眼輪筋筋肉の解析結果を合わせて結論を導き出す予定である。やや遅れが出ている他は問題なく,研究計画の変更等は行わない。
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Research Products
(3 results)