2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390332
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
貴志 和生 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40224919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保出 義顕 慶應義塾大学, 医学部, 特任講師 (50348687)
坂本 好昭 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10464835)
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Keywords | 毛包 / 再生 / 皮膚 |
Research Abstract |
マウス細胞を用いた研究で、非接着培養皿で培養を開始すると、培養開始1週間でWntシグナルとNカドヘリンの発現が増強することが示された。Wntは毛乳頭の毛包誘導能を維持する働きがあり、毛包形成の中心的な役割を果たしている。非接着培養皿の培養を行うとN-カドヘリンの増強とともに、β-カテニンも劇的に増加し、核への集積も認められた。古典的Wntシグナルは、β-カテニンの増加と核移行を介してシグナルが伝達されることを考えると、非接着培養皿の培養により、N-カドヘリンの発現が増強し、それに伴い古典的経路のWntシグナルが活性化され、毛包誘導能を獲得できたと考えられた。 非接着培養の細胞凝集塊形成で、N-cadherinとβ-cateninが増強し、Wntシグナルも増強した。ヒトの線維芽細胞も同様に、非接着培養によるN-カドヘリンと、Wntシグナルの増強を介して毛包誘導能の獲得に関与しているという可能性を調べた。その結果、ヒト線維芽細胞でも同様に、細胞凝集塊を形成させることで、Wntの活性化が確認された。さらに非接着培養による毛包誘導獲得のその他のメカニズムに迫るために、毛包誘導に関係していると考えられている、BMP2,4,Wnt4,5,7,10bなどにつき、2次元培養と非接着培養での発現の差異をRTPCRで観察し、変化のあった分子に対してsiRNAを用いてノックダウンを行い、その発現の変化と、凝集塊形成の変化につき調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた免疫不全マウスへの移植が、動物実験施設との関係で未だ達成できていない。このため、平成24年度に行う予定であった研究を前倒しして行い、平成24年度に動物施設の拡充とともに、移植実験を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
重度免疫不全マウスの飼育環境を整えるとともに、移植実験を行ってゆく。
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