2010 Fiscal Year Annual Research Report
血漿および白血球内エンドトキシン値同時測定法の開発
Project/Area Number |
22390339
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30160394)
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Keywords | 感染症 / 敗血症 / エンドトキシン / 高感度測定法 / 白血球 |
Research Abstract |
非敗血症症例40例(心筋梗塞、一酸化炭素中毒、頭部外傷、肝臓単独損傷、脂肪塞栓、骨盤骨折など)、敗血症症例55例(急性虫垂炎、十二指腸潰瘍穿孔、大腸穿孔、腎盂腎炎、胆道炎、胃潰瘍穿孔、小腸穿孔、腸間膜動脈栓塞など)について比較した。その結果、白血球画分のエンドトキシン値が有意に高値であった。腹膜炎症例においては、発症(搬入)24時間後でより高値であった。症例においては、一方でのみエンドトキシンが陽性の場合があることが判った。敗血症患者での血漿、白血球、血漿+白血球のエンドトキシン量の推移より、血漿と白血球の両方のエンドトキシンの定量は、それぞれの方法を補うものであることが示めされた。健常者血液への添加回収実験において、血液にエンドトキシンを添加し加温したところ、白血球画分のエンドキシンが時間とともに増加したが血漿中エンドトキシンは逆に減少した。それに対して(白血球+血漿)画分では徐々に減少したが血漿ほどではなかった。敗血症患者より得た検体について検討したところ、血漿画分、白血球画分を加算したエンドトキシン量にほぼ同量のエンドトキシンが定量できた。白血球エンドトキシ値は血漿エンドトキシン値より有意に高値を示し、診断効率を向上させる優れた方法である。さらに、血漿+白血球エンドトキシン定量法は互いの定量法の短所(ある病期ではいずれかが高値のことがある)を補完できることがわかった。今後、操作方法をさらに簡略することにより、本方法の実用化が可能であることが判った。
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