2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨および軟骨形成過程における非古典的Wntシグナルネットワークの統合的理解
Project/Area Number |
22390348
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 理行 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (60294112)
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Keywords | Wnt / Wnt5a / 骨 / 軟骨 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
1.Wnt5aノックアウトマウスの解析 Wnt5aノックアウトマウスは、既報のとおり、非常に重篤なDwarfであり、その四肢を病理組織学的解析すると、軟骨組織は観察されるものの、増殖軟骨で分化が停止しており、軟骨の肥大化、骨化ならびに骨形成作用は、全く認められなかった。さらに、軟骨組織の大きさも野生型マウスに比較して非常に小さかった。したがってWnt5aは、内軟骨性骨化の非常に初期に必須的役割を果たしていると考えられた。 2.Wnt5aの標的分子の同定 マイクロアレイ解析により、Wnt5aを作用させたマウス肢芽細胞の遺伝子発現パターンを検討した。その結果、BMP2、Runx2、インディアンヘッジホッグ(Ihh)を過剰発現した場合と全く異なる遺伝子発現パターンを示した。一方、BMP2、Runx2、Ihhは相関性を示した。したがって、Wnt5aは、BMP2やIhhと全く異なる役割を果たしている可能性が推測された。 3.Zfhx4遺伝子ノックアウトマウスの作製 Wnt5aシグナルに、転写因子Zfhx4が関与している可能性が示唆されたので、骨格形成過程におけるZfhx4の役割を検討した。Zfhx4は、10kbを超える大きな遺伝子から産生されるので、通常の分子生物学的手法での解析が困難であったので、Zfhx4遺伝子欠損マウスの作製を実施した。Zfhx4は、比較的遍在性に発現しているので、ノックアウトマウスの胎生初期で死亡する可能性も考慮し、Cre-LoxPシステムを用いて作製した。22年度は、Zfhx4のfloxキメラマウスの作製を完了した。
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Research Products
(5 results)