2012 Fiscal Year Annual Research Report
失活歯強化法の臨床応用をめざした紫外線による象牙質強化メカニズムの解明
Project/Area Number |
22390358
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 美加子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (40271027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 行晃 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90303982)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 歯学 / 象牙質 / 紫外線 / コラーゲン / 機械的強度 |
Research Abstract |
歯の破折に対する防止策を探求することを目的として紫外線による 象牙質の強化効果を検索した。 本年度は、紫外線照射によってタイプ1コラーゲンに起こる分子化学変化をスピン磁気共鳴法(ESR)および核磁気共鳴法(NMR)にて検索した。そこでは、コラーゲンの構成アミノ酸であるグリシンとプロリンあるいはグリシンとプロリンのモデルペプチド5量体に様々な条件で紫外線を照射して、起こる化学変化を詳細に検討した。 ESRの結果、紫外線照射によってコラーゲンの主たる構成アミノ酸であるグリシンには変化がないものの、プロリンからはハイドロキシラジカルおよびカルボキシラジカルが複合して発生していることが分かった。その変化には時間依存性があり、特に新しい分子間架橋を形成する可能性が示唆されるカルボキシラジカルは反応の初期に発生して早期に完結することが分かった。一方、分子結合に対して破壊的に働くハイドロキシラジカルは長時間にわたって発生していた。 続いて炭素原子の変化に焦点を当てたNMRの結果、アミノ酸基軸CH2およびCH3基の反応のみならず、プロリンのカルボニル基が関わる部分も顕著に変化しており、その反応は水の影響を受けることも明らかになった。 以上のESRおよびNMRの結果より、紫外線によりコラーゲンの主たる構成アミノ酸であるプロリンよりカルボキシラジカルが発生し、ラジカル反応によりカルボニル基が関わる部分に水分子を介した新たな架橋形成が起こる可能性が示された。そして、紫外線照射直後からラジカルが作用して構造の安定化に働く分子間結合は形成されることで、象牙質の安定に寄与するのではないかと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(15 results)