2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390359
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 講師 (60380466)
友清 淳 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (20507777)
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Keywords | 未分化なひと歯根膜細胞 / ヒト歯根膜細胞 / ハイドロキシアパタイト / 象牙質タンパク / 象牙質タンパク |
Research Abstract |
(1)象牙質基質タンパクの歯根膜幹細胞に及ぼす影響 象牙質タンパクの1つであるdentin sialophosphoprotein (DSPP)から分離したDSPおよびDPPペプチドを用いて、当研究室で作製したヒト歯根膜幹細胞株の分化に及ぼす影響について検討したが、骨系細胞への分化は観察されなかった。そこでDSPPをコードしたGFP発現ベクターを、この細胞株にレトロウィルスを用いて遺伝子導入し、パーマネントに発現する細胞の樹立に成功した。DSPPが細胞株の分化に及ぼす影響に関しては、現在解析を進めている。 (2)人工歯根に適した足場材の開発 これまでの結果より、炭酸アパタイトが歯根膜幹細胞の接着に適していることを報告したことから、これを用いて人工歯根の作製を試みたが、物理的強度が低く、足場材としての機能に問題があることが判明した。そこで、ハイドロキシアパタイトを用いそ試みた結果、ラットの歯根のサイズに近い形状のものを作製することができた。方法は、先端直径が1ミリのパスツールピペットの先の内部に、????を填入し、???度で焼成することによって、形態や強度に問題がないものが得られた。これをHAP-人工歯根として、以下の実験に用いた。 (3)人工歯根材と歯根膜幹細胞との3次元培養法の開発 (2)で作製した、人工歯根周囲にヒト歯根膜細胞株を3次元的に貼りつかせることに成功した。方法は、細胞株シートを作製するために、セルシード社の培養皿を用いて、播種する細胞数そして培養期間を検討し、さらにシート状に分離する条件について、プロトコールを修正した。またHAP-人工歯根上に巻いた細胞を生着させるため、培養を行った。検討の結果、細かい金属のメッシュ上にこれを静置し、培養液にやや浸る程度の状態で培養することで、24時間培養後も細胞を生きた状態でアパタイト表面に細胞を生着することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DSPPが歯根膜幹細胞の分化に及ぼす影響に関する解析は、ペプチドの合成や条件設定などで期間を要したが顕著な結果が得られなかった。しかしながら、DSPP-GFPベクターの遺伝子導入によって修正対応ができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、DSPPを発現するヒト歯根膜幹細胞株の分化について研究を進める。また3次元培養が成功したHAP人工歯根の、免疫不全ラットへの移植によって、歯根膜組織形成能について検討する。さらにDSPP発現細胞による細胞シートを作製し、同様の実験を行い、歯根膜組織を有した人工歯根の作製実験を推進する計画である。
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Research Products
(13 results)