2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄、根尖性歯周組織疾患に対するヒトiPS細胞を使った再生療法の開発
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22390360
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 善彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20150477)
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Keywords | iPS細胞 / 低酸素培養 / 細胞増殖・分化 / 骨芽細胞誘導 |
Research Abstract |
低酸素環境下で、幹細胞やES細胞はHIF (hypoxia inducible factor)の働きにより未分化状態が維持されていることが報告されており、iPS細胞でもHIFの働きによることが推察される。本研究では低酸素環境下でのHIFの働きについて検討した。 実験には理研CELLBANKより購入したマウスiPS細胞(iPS-MEF-Ng-178B-5)を用いた。MEFを播種したDish上に、マウスiPS細胞を5日間FBS、2-Mercaptoethanol、NEAA、mouseLIF、penicillin/streptomycin、bFGF添加DMEMで培養。継代時にsiRNAをトランスフェクションした3因子導入マウスiPS細胞を60mmDish上に1.0×10^5 cell/cm^2の密度で播重し、5%O_2下で48時間培養した。それぞれのDishには50nM siRNAs {Product Names : Mm_Hifla_4FlexiTube siRNA, Mm_Epas1 (Hif2a)_5FlexiTube siRNA, Mm_Hif3a_5FlexiTube siRNA, QIAGEN}にHiPerfect transfection reagent (QIAGEN)を添加しており、siRNA導入48時間後に細胞を回収し、細胞形態、Nanog,Sox2,Oct4のmRNA発現量を比較した。対照群は、AllStars Negative Controls (QIAGEN)をトランスフェクションしたものを用いた。 siRNAを導入し、HIFsをノックダウンしたときのiPS細胞のコロニーの形態学的観察を行った。HIF1aをノックダウンしたもののでは、対照群と同様にiPS細胞のコロニーを形成した。しかし、HIF2aをノックダウンしたものでは、コロニーは形成するもののコロニーサイズが減少していた。HIF3aをノックダウンしたものでは、HIF1aをノックダウンしたときと同様に、対照群と同じようにiPS細胞のコロニーを形成した。 HIF1aをノックダウンしたものでは、未分化マーカーであるNanog,Sox2,Oct4の発現量は対照群と有意差はなかった。HIF2aをノックダウンしたものでは、対照群と比較して、Nanog、Sox2、Oct4の発現量は有意に減少していた。また、HIF3aをノックダウンしたものも、対照群と比較して、Nanog、Sox2、Oct4の発現量は有意に減少してした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低酸素培養でのiPS細胞の増殖・分化の解析を終了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
魚コラーゲンを足場としたin vitro, in vivoの検討を、臨床に即した条件下で実施する。
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