2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキシルラジカルを人工的に生成する新しいラジカル殺菌技術の口腔内領域への応用
Project/Area Number |
22390362
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30302160)
林 栄成 東北大学, 病院, 助教 (60375102)
猪飼 紘代 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (20431588)
河野 雅弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (70333226)
中村 圭祐 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教育研究支援者 (30431589)
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Keywords | ヒドロキシルラジカル / ラジカル殺菌 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
われわれは、3%以下の低濃度過酸化水素に405nmの可視光を照射し、ヒドロキシルラジカルを効率的に生成する方法を開発した。本法は、安全性が担保された低濃度過酸化水素水と可視光を用いる点、さらに光量を調節することで殺菌力をコントロールしうる点に特徴を有する。本研究は、このヒドロキシルラジカルが有する強力な殺菌力を口腔内の歯周病原菌等に応用する事を目的とし、平成22年度は本ラジカル殺菌技術が有する殺菌能が歯周病等の病原菌に対してどの程度有用かを評価した。 実験1では、カリエス菌(S.mutans)や歯周病原菌(A.actinomycetemcomitans、S.aureus、E.faecalis)の単一菌の菌混濁液に対する殺菌能を評価した。その結果A.a.菌では、1分以上の光照射で99.99999%の殺菌効果が得られた.S.a.菌,S.m.菌でも3分以上の光照射で同様の効果が得られることが分かった.E.f.菌については、1分照射後から効果的な殺菌効果が認められた. 実験2では、カリエス菌(S.mutans)と歯周病原菌(P.gingivalis)の実験的バイオフィルムを作成し、それらに対する殺菌試験を行った。その結果、S.m.菌のバイオフィルムに対しては3分間以上の光照射で99.999%程度の殺菌効果が認められた。P.g.菌のバイオフィルムに対しては30秒間以上の光照射で、99.99%以上の殺菌効果が認められた。 これらの実験の結果、ヒドロキシルラジカル殺菌技術は、細菌に対して非常に高い殺菌作用を有することが分かった。
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Research Products
(14 results)