2011 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的な組織再生誘導を実現する多機能性インプラント
Project/Area Number |
22390366
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前川 賢治 岡山大学, 大学病院, 講師 (20304313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 聡 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20263618)
園山 亘 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (40325121)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
峯 篤史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60379758)
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Keywords | チタン / インプラント / 歯根膜 / 幹細胞 / 象牙質 |
Research Abstract |
象牙質形成能を有する歯髄幹細胞(Dental Pulp Stem Cell:DPSC)を利用してチタン表面に象牙質基質を形成させ,さらにその周囲にセメント質・歯根膜組織形成能を有した歯根膜由来幹細胞を応用することで,チタン製インプラント体に強固に結合する歯周組織の再生を試みた.今年度はDPSCの象牙質基質形成に適したチタン表面の選択のため,以下の3条件のチタン表面にヒトから採取したDPSCを播種し,DPSCの細胞動態をin vitroで形態学的・分子生物学的に検討した.すなわち,(1)#600の研磨紙で研磨した研磨チタン,(2)サンドブラストならびに酸処理で表面粗造化を行なった粗造化チタン,(3)粗造化チタン表面にハイドロキシアパタイトを析出させたHAチタンである. (1)細胞の形態学的評価 3種のチタン表面上でDPSCを1,7日間培養した際の細胞形態をSEMにて観察した結果,細胞播種1日後に,全てのチタン表面で細胞が伸展している像が観察された.細胞播種7日後には,研磨チタン群において,単層に細胞が増殖している像が観察される一方,粗造化チタン,HAチタン群では,細胞が層状に重なり合うように増殖し,それぞれの細胞が多数の突起を出してチタン表面に接着していた. (2)分子生物学的評価(定量性RT-PCR) 各チタン表面でDPSCを培養,7日後にRNAを回収し,象牙芽細胞分化マーカーであるtypel collagen(Col1),osteopontin(OPN),dentin sialophosphoprotein(DSPP)の遺伝子発現量を評価した.HAチタン群では初期分化マーカーであるCol1遺伝子の発現量は他群に比較して有意に低下していた一方,後期分化マーカーであるOPNの遺伝子発現量は,有意に高かった.また,DSPPの遺伝子発現は,粗造化チタンおよびHAチタン群では,研磨チタン群より高い傾向にあった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成22年度に実施したチタンの骨伝導能を亢進するアパタイト自己析出酸化膜処理法の開発に加えて,チタン表面に歯根膜組織を誘導する技術の開発を進めることができ,部位特異的な組織再生誘導を実現するインプラントの開発のための研究推進がほぼ順調に進行していると考えるため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画にある,インプラントと上皮の接合を強化する表面処理法の開発を平行して進展させる必要がある.本項目に関しては,申請当初より研究期間の後半に実施する計画であるため,予定通り来年度より研究開始する予定である.
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