2012 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的な組織再生誘導を実現する多機能性インプラント
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22390366
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前川 賢治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20304313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
早川 聡 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (20263618)
園山 亘 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40325121)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | チタン / アパタイト / 表面改質 / 自己析出 / 上皮結合 |
Research Abstract |
チタン合金に対して骨伝導能を亢進する吸収性アパタイトを生体内で析出可能な酸化膜処理法の確立 これまでの我々の研究グループでの検討結果により,純チタン表面に生体内でアパタイトの析出を促進する酸化膜の生成を可能とする手法を確立していた.しかしながら,我々の最終ターゲットは,これらの技術を口腔インプラント治療に応用することであり,現時点でインプラント体に用いられているのは強度的に問題のないチタン合金である.従って,今年度はチタン合金に対して骨伝導能を最も促進したアナターゼ型酸化被膜を生成し,自己析出するアパタイトの結晶性が低く,生体吸収性が増すことが期待できるルチル型酸化被膜を混合析出させる化学熱処理条件を検討を進めた,その結果,化学処理条件を純チタン表面に対するものと変更すること,熱処理条件を変更して若干高熱で処理することにより,理想的な酸化被膜の生成に成功した.現在,ラットの脛骨に埋入可能な実験用チタン合金製のインプラントを準備し,上述のような酸化膜構造条件を付与したものを作製中である。準備が終了次第,酸化被膜を付与したものと,コントロール条件のチタン合金製インプラント,それぞれ10本づつをラット脛骨に埋入する.埋入2,4,8週後に以下の項目を観察する予定である.検討項目(組織学的検討:研磨切片,界面の微細表面構造:TEM,アパタイトの吸収速度:TEM)以上の検討より,強固な骨結合度の獲得,かつ獲得後にアパタイトが吸収する最良な化学熱処理法を確立する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チタン表面と上皮結合を促進する表面改質に関する研究の進行が遅れているため.
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Strategy for Future Research Activity |
チタン合金表面に,アパタイトの自己析出能を亢進させる酸化皮膜を形成したものを,実際に動物実験に応用し,生体内で骨伝導能が亢進するかを検討する.また,チタン表面に各種接着因子を表面吸着させる手法の確立のため,様々な表面官能基を作用させ,最も吸着を高める条件を探索する.
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