2011 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニア表面の生体活性化処理法の開発と歯科インプラントへの応用
Project/Area Number |
22390376
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮本 元治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50452941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 博史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20507165)
佐藤 秀夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40507125)
山下 大輔 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80550053)
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Keywords | 歯学 / 生体材料 / セラミック / ナノ材料 / 表面・界面物性 / ジルコニア |
Research Abstract |
今年度はジルコニア表面を生体親和性もしくは生体活性の高い状態に処理し、ジルコニア製高強度セラミックインプラントを製造することを確立した。焼成温度などの焼成条件の影響も大きく、せん断試験、二軸曲げ試験、3点曲げ試験も行って再評価した。圧縮引張測定装置、熱膨張測定装置による測定も行った。 再度、疑似体液としてHanks液を用い、コーティング試料を37℃で、浸漬し、無機化学的にアパタイトの析出が生じるか検討した。析出したアパタイトは結晶性が低く、炭酸を含有し、生体アパタイトに類似した組成であるため、X線回折、走査型電子顕微鏡、赤外分光分析などの状態分析により、析出量を定量した。生体活性のin vitroの結果結晶性の低いアパタイトが析出することが確認されたが、ガラス組成の含有量により差が生じる事が示唆された。新規に、ジルコニアの焼成温度が機械的強度に及ぼす影響を調べた。焼成温度の違いで熱量変化に対応した物性評価を行い、有効な熱特性の結果が得られた。また、ジルコニア表層は様々な汚染を受けることから、汚染物質を塗布又は浸漬実験を行った。(1)リン酸42.5%溶液に10秒間浸漬,(2)試料を蒸留水で濡らしリン酸塩系埋没材を試料の上面に散布,(3)試料を蒸留水で濡らし歯面エッチング用リン酸GEL30秒間塗布後水洗,(4)5%フッ化水素溶液中10秒間浸漬,(5)試料を蒸留水で濡らし硬石膏を試料の上面に散布,(6)パラフィンワックスでコーティング,(7)機械油の中に10分間浸漬,(8)蒸留水中に10分間浸漬,(9)義歯床用分離剤を塗布,(10)試料を蒸留水で濡らしNaCl粉末を上面に散布,の10条件とした。ジルコニアの焼成温度を変化させることにより機械的強度に影響を及ぼす事が確認できた。焼成温度が高いと機械的強度が向上するはずであるが、より強度が低下するまたは変化のないものがあり、焼成温度と汚染物質の組み合わせがきわめて大きく影響がすることが確認された。in vitroによる生体適合性試験は骨芽細胞の良好な増殖を確認出来た。
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