2010 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素領域の分子イメージングに基づいた口腔癌治療戦略
Project/Area Number |
22390377
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 裕 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (90250464)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
犬伏 正幸 放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (70399830)
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Keywords | 分子イメージング / 核医学(PET,SPECT) / FMISO / 低酸素 / 治療抵抗性 / 口腔癌 / 臨床試験 / 動物モデル |
Research Abstract |
腫瘍内における酸素領域の存在は、化学療法や放射線治療に対する抵抗性や癌の悪性度と関連する予後因子の一つである。低酸素にさらされた癌細胞にどのような変化が起こるのかも含めin vitroおよびin vivoで分子遺伝子レベルの研究をさらに行う価値があると考えられる。本研究では、低酸素状態に応答して核医学レポーター遺伝子を発現する安定ヒト腫瘍細胞株を樹立することを目的とした。低酸素分圧条件下で転写活性を促進する低酸素応答因子(HRE)配列を12個と、99mTcO4-や放射性ヨードを細胞内に取り込むsodium/iodide symporter(NIS)レポーター遺伝子を連結し、pGL4ベクターに組み込んだ。作製したレポーターベクタニをヒトグオーマ細胞U-87MGへ安定導入した。得うれた安定導入:細胞株について、酸素正常状態および低酸素状態(1%O2、12時間)にて細胞への99mTc04-集積およびNIS mRNAの発現レベルをin Vitroで調べた。約80個のU-87 MG-12HRE-NIS安定クローンをスクリーニングした結果、99mTcO4-取り込み試験において酸素状態に比べて最も高い低酸素応答を示した3系統の細胞株を選出し、系統C、G、Hと名付けた。酸素正常状態に対して低素状態で系統C、G、Hは99mTcO4-集積上昇を示した。またこれらの細胞は、定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応でも高いNIS mRNA発現を示した。本研究においてHRE制御下にヒトNISレポーター遺伝子を発現する安定ヒトグリオーマ細胞株U-87MGを作製し、in vitroで低酸素状態での99mTcO4-集積を確認した。我々は低酸素レポーター遺伝子イメーシンクへ12個のHREを初めて利用し、酸素正常状態に対して低酸素状態で49.4-143.4倍という非常に高い細胞内99mTcO4-集積の誘導に成功した。更に、高い遺伝子発現レベルの3系統を作したので、将来in vivoに適用した時に、導入された遺伝子の染色上での位置による望ましい生物学的た効果を回避する選択肢が与えられるであろう。ヒト腫瘍細胞株を用いた点も、更なる利点となるはずである。
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Research Products
(7 results)