2011 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素領域の分子イメージングに基づいた口腔癌治療戦略
Project/Area Number |
22390377
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
犬伏 正幸 放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (70399830)
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Keywords | 分子イメージング / 核医学(PET,SPECT) / FMISO / 低酸素 / 治療抵抗性 / 口腔癌 / 臨床試験 / 動物モデル |
Research Abstract |
低酸素状態において転写活性を促進する低酸素応答因子(HRE)を12個と、99mTcや放射性ヨードを細胞内に取り込むsodium-iodide symporter(NIS)レポーター遺伝子を持つベクターを作製した。作製したレポーターベクターをヒト大腸癌細胞株へ安定導入した。正常酸素および低酸素状態(1% O2,12時間)で培養し、99mTcの取り込み試験を行いNISの発現を確認した。正常酸素では99mTcの取り込みが低く、低酸素では99mTcの取り込みが最も高かった細胞株(HCT116-12HRE-hNIS)を選出し、in vivoでの実験で用いることとした。 樹立した細胞株をヌードマウス右脇腹部へ皮下移植し、腫瘍増殖を評価した。約3週間後に、腫瘍最大径約5mmの皮下腫瘍を形成した。この担癌モデルを用いて、SPECT/CTイメージングを行った。正常酸素状態(21% O2,n=5)で飼育した担癌マウスの腫瘍への99mTc集積と比較して、低酸素状態(10% O2,12時間,n=5)で飼育した担癌マウスの腫瘍への99mTc集積は、優位に高い値を示した。(1.09±0.31vs.2.05±0.65,p=0.001) 撮像後、腫瘍を摘出し病理学的評価を行った。低酸素状態を抗pimonidazole抗体で、低酸素に対する遺伝子レベルの反応を抗NIS抗体で、それぞれ免疫染色を行った。その結果、イメージングの結果とNISの発現との間に強い相関を認め(R=0.86,p=0.003)、99mTc集積はNISの発現であることが確認できた。またpimonidazoleの染色部位とNISの染色部位との乖離が認められた。このことは、今後さらなる実験を行い、検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画どおり順調に研究課題が達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり研究課題を遂行しながら、着実に成果を発表していく。
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Research Products
(6 results)