2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌診断のための病巣集積型ナノバブルと高周波超音波を用いた画像診断法の開発
Project/Area Number |
22390378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 士朗 東北大学, 病院, 講師 (80230069)
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Keywords | 口腔癌 / ナノバブル / 超音波 / 転移モデル / リンパ節転移 / 腫瘍血管 / リンパ管 / 画像診断 |
Research Abstract |
本研究の目的は、口腔癌の診断のための病巣集積型ナノバブルと高周波超音波を用いた新しいリアルタイム四次元画像診断システムを開発することであり、我々が想定しているこの診断システムの概要は、口腔癌所属リンパ節の微小転移巣を精確に診断できること、口腔、頭頸部領域において腫瘍の転移や浸潤範囲を精確にリアルタイムで診断でき、術中迅速診断にも応用可能であること、および診断装置が小型で、価格維持管理費が安く、小規模の診療施設や手術室でも設置可能であることなどである。平成22年度においては、本研究の基盤となるヒトと同等の大きさのリンパ節を有するリンパ節転移モデルマウスにおける転移ルートの詳細な検討と、これまで我々が開発したリンパ節転移モデルマウスよりも飼育、繁殖が容易で、腫大したリンパ節の大きさが一定し、且つ、リンパ節腫脹の発症頻度が高いモデルマウスの作出を試みた。その結果、近赤外線を発するICGやFITC等の蛍光色素を用いて転移ルートの解明を試みたところ、鼠径リンパ節から腋窩リンパ節に至る転移ルートは1本のリンパ管であり、転移の方向は鼠径リンパ節から腋窩リンパ節への一方向であることが明らかとなった。また、これまで我々が樹立してきたリコンビナント近交系マウスであるMXH系マウスに、これまでに樹立したルシフェラーゼおよびGFP遺伝子を恒常的に発現する腫瘍細胞が生着可能であること、MXH系マウスが、これまで使用していたMRL/1pr系マウスよりも、比較的若い週齢でリンパ節腫脹を高頻度で発症し、比較的均等な大きさのリンパ節腫脹を示すマウスを、短い飼育期間で、数多く作出できることが明らかとなり、今後の研究の進展に大いに寄与することが期待できるものと思われた。一方、ナノバブルの開発においては、ICG封入型ナノバブルの作製に成功し、本研究で用いる転移モデルマウスの転移病巣の形成の解析に大いに役立つものと思われた。
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