2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390384
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比 英晴 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90345885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 実 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00151803)
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Keywords | 再生医療 / 組織再生 / 骨再生 / 再生医学 / 骨延長 / SDF-1 |
Research Abstract |
本研究の目的は血管系と組織を構築する細胞との関わりを焦点にし,組織再生における血管網のおよぶ影響の範囲を探って,有機的で効率的な骨再生法を確立することである.生体外で調製した細胞が生体内に導入された後に組織を構築する様子を血管系とともに明らかにすることができれば,再生医療あるいは細胞治療の効率化と予知性の向上を図ることができる. 生体内での組織再生能を巧みに引き出すモデルを骨延長法に求めることができる.われわれは骨延長部では骨形成に先立ち血管形成が観察されることをすでに組織学的に確認した.本年度はこの機序についてマウス脛骨延長モデルをもちいて解析した.骨延長の過程でSca1陽性細胞が集積するのは,仮骨形成領域に隣接する延長部と骨髄内髄質であり,それぞれの主体は血管内皮前駆細胞と間葉系幹細胞であった.この集積に関与する因子としてSDF-1に着目したところ,これは血管内皮前駆細胞を特異的に集積するように機能した.そこでSDF-1を骨延長部に局所投与すると血管系の構築が促され,骨形成が促進されて治癒期間が短縮した.それに対してSDF-1を機能抑制すると骨延長部における血管形成が阻害され,延長部に再生する組織は骨よりも軟骨が主体となった.また骨髄単核球分画を採取し蛍光標識したものを大腿骨の骨髄内に移植すると,それが延長部に移動する様相が巨視的にではあるがインビボイメージングシステムにより経時的に観察できた.そこで先に独自に構築した細胞動態観察用生体内リアルタイムモニタシステムをもちいて微視的にさらに追及することを検討している.
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Research Products
(11 results)