2011 Fiscal Year Annual Research Report
先天性疾患と集団間の遺伝的変異から顎口腔領域に関連する形質の遺伝因子を解明する
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22390393
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
山口 徹太郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (40384193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ上 逸朗 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (00192500)
木村 亮介 琉球大学, 医学部, 准教授 (00453712)
槇 宏太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (80219295)
渡辺 みゆき 昭和大学, 歯学部, 普通研究生 (30407572)
友安 洋子 昭和大学, 歯学部, 助教 (50551206)
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Keywords | ゲノム / 歯の形態 / 顎顔面形態 / 顎変形症 / 歯の萌出 / 歯科矯正 |
Research Abstract |
顎口腔領域に関連した形質には歯の形態や頭蓋顎顔面形態など強い遺伝性を有するものが少なくない。一方、先天性疾患においては歯の数・形態の異常、特異な頭蓋顎顔面形態などの表現型を呈するものがある。遺伝因子の解明は顎離断等の手術を要する顎変形症や歯槽と歯の大きさの不均衡によって生じる叢生など咬合異常の病態理解に寄与することから、本申請では顎口腔領域に関連した形質について先天性疾患の表現型をヒントに集団遺伝学の応用から遺伝因子を解明することを目的とする。本申請課題は既に関連倫理委員会の承認を得ている。対象者は健常日本人成人から収集し、本申請課題が実施しうる約500名の検体収集が完了している。平成22年度では歯の萌出不全に関与する遺伝子の同定に成功し、論文発表に至った。また、先天性疾患の表現型をヒントに集団遺伝学の応用から推定したいくつかの遺伝因子について解析を完了し、遺伝統計学的検討により、歯の形態と関連する因子の同定に成功し、論文発表予定にまで至った。平成23年度は臨床情報において、歯の形態のみならず永久歯欠損、顎顔面形態に関連する臨床情報(形質)について重点的にゲノム解析を実施予定である。ゲノム解析手法では、これまでの候補遺伝子関連解析による検討を行い、成功しているものの、これまでのその形質との関連が知られていない、あるいは機能的役割が不明な遺伝子との関連は明らかにすることができない。このため多因子形質の遺伝的原因を解明する有力な手法であるゲノムワイド関連解析(genome-wide association study ; GWAS)、次世代シークエンサーを用いた単一遺伝子病の病因遺伝子同定法として有力な手法であるexome sequencing (EXOME)による検討も加え、遺伝因子を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
永久歯萌出不全の原因遺伝子同定に関する論文を出版した。歯の形態に関与する因子についての論文を2編投稿中である。不正咬合に関与する因子についての論文を2編、作成中である。顎顔面形態に関与する因子同定のための形態計測についても進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
歯の形態に関与する因子についての論文を2編投稿中である。不正咬合に関与する因子についての論文を2編、作成中である。永久歯先天性欠如については遺伝情報と臨床情報との遺伝統計学的検討を行っている最中である。顎顔面形態に関与する因子同定のための形態計測についても進行中である。おおむね順調に進展いており、解決困難な問題点はない。
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Research Products
(21 results)