2011 Fiscal Year Annual Research Report
チューイングによる小児期の母胎ストレス性神経認知回路の賦活と再生
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22390395
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
久保 金弥 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (00329492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐沢 延幸 星城大学, リハビリテーション学部, 名誉教授 (70148287)
飯沼 光生 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70184364)
市橋 幸子 朝日大学, 歯学部, 助教 (70515634)
小野塚 實 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
東 華岳 岐阜大学, 医学研究科, 講師 (20273146)
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Keywords | チューイング / 妊婦ストレス / 神経発達 / 細胞新生 / グルココルチコイド / 海馬 |
Research Abstract |
妊娠中に被った母胎ストレスにより障害された子の神経認知機能に果たすチューイングの影響を検討するため、拘束ストレス下で木製の棒をチューイングさせた妊娠マウスとチューイングさせなかった妊娠マウスから生まれた仔マウスを用い、ストレス関連物質の発現状況、海馬ニューロンの生後発達の状態および海馬歯状回における細胞新生状況の解析を行った。その結果、妊娠中にストレスを受けた母マウスの血中コルチコステロン濃度は顕著に上昇したが、ストレス中にチューイングさせた母マウスでは血中コルチコステロン濃度の上昇が軽度であった。また、母胎ストレスを被った仔マウスの海馬ではニューロンの発達と細胞新生機構が障害されていたが、母胎ストレス中にチューイングさせたマウスから生まれた仔マウスでは海馬ニューロンの発達障害や細胞新生機構の障害が抑制された。これらの結果は、母胎ストレス中に木製の棒をチューイングさせることで、仔マウスの生後の神経発達障害や細胞新生機構の障害が抑制されることを示しており、これにはチューイングによる母体でのコルチコステロン分泌抑制が深く関与しているものと考えられた。今年度の成果は妊娠ストレス下のチューイングが母体ひいては仔マウスのストレスコーピングとして有用であることを示している。今後、さらなる組織学的検索により、チューイングによる母胎ストレス性小児脳発達障害の抑制機構が明らかになっていくものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血中のストレス関連物質および海馬神経細胞の生後発達の解析がほぼ終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
HPAaxisをコントロールしている視床下部でのバソプレッシンmRNAの発現状況を組織学的に解析する。海馬新生細胞の二重染色を行い、神経細胞への分化度を解析する。TH、GCHおよび5-HTの脳内局在を組織学的に解析する。
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