2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔乾燥症関連疾患と上部消化器疾患の関連性および発症予知・予後予測法に関する研究
Project/Area Number |
22390403
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
稲永 清敏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90131903)
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
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Keywords | 口腔乾燥症 / 上部消化器疾患 / GERD / 唾液 / 口臭 |
Research Abstract |
本研究は、口腔乾燥症および関連疾患と上部消化器疾患との間の関連性があるかどうかを検索することが目的である。H23年度は介護サービスに通所している高齢者84名(男性29名、女性55名、平均年齢81.3歳)を対象に調査を行い、データ解析を行った。調査項目は口腔と全身ならびに生活習慣に関する質問紙調査に加えて、口腔診査ならびに舌運動機能、嚥下機能評価を行った。その結果、口腔乾燥感を有する者は常時と時々をあわせると38%、嚥下機能低下を有する者は常時と時々をあわせて30%であり、胃腸症状を有する者は7%ほどであった。カイ自乗検定の結果、胃腸症状と口腔乾燥感との間に弱い関連性がみられた(P=0.056)。この関連性は男性より女性で強かった。胃腸症状がみられる者では嚥下機能の低下がみられたが有意差は認められなかった。その他の口腔所見で胃腸症状(なし)と有意な関連性がみられたのは、舌運動機能の高さを示す「舌で頬を押すことができる」、「頬をふくらますことができる」であり有意な相関関係がみられた。全身所見で胃腸症状(なし)と有意な関連性がみられたのは、体の調子、食欲、睡眠などであった。昨年度の結果を踏まえて考察すると、健常高齢者では胃腸症状と口腔乾燥感との関連性はみられないが、今回のように日常生活機能(ADL)が低下した高齢者で、とくに女性において胃腸症状が弱い者では口腔乾燥感を有し、嚥下機能の低下がみられる傾向にあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたコントロール群としての地域住民の調査データと疾患群としての介護施設での調査データが揃った状況であり、研究目的をおおむねクリアできていると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患群のN数を増やしてデータ解析のパワーをあげることが必要と思われる。その上でまとめの年度として詳細な統計解析を行う予定である。
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Research Products
(6 results)