2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際オンラインフォーラムを利用した患者情報プライバシー認識尺度(国際版)の開発
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22390407
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
松田 正己 東京家政学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90295551)
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Keywords | 看護学 / 解析・評価 / 倫理学 / 尊厳 / 尺度開発 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
H23年度は,以下の研究,情報収集を行った。 1)日本語版の患者の尊厳測定尺度の構築のために,愛知県内400床以上の3病院から協力を得て,計18名を対象とするグループインタビュー調査を実施した。その結果および文献検討の結果をもとに,患者尊厳測定尺度(PDS)を構成する47項目を抽出した。 2)上記PDSを構成する項目の妥当性検証のために,愛知県内400床以上の8病院から協力を得て,442名の入院患者(心療内科,精神科以外に入院する20才以上の患者)を対象とする質問紙調査を実施し,165名(37.3%)の回答を得た。主因子法,プロマックス回転による探索的因子分析の結果,患者自身による尊厳への期待は,F1:一人の患者としての尊重,F2:患者の気持ちの尊重,F3:患者のプライバシーと情報への配慮,F4:患者の主体性の尊重という4因子構造(23項目)からなることを確認し(信頼係数0.95),これを日本語版PDSとした。 3)日本語版PDSを構成する項目の見直しを行い,前記の23項目を含む36項目からなる英語版尺度(原案)を再編した。これを用いて,シンガポールにて,約400名の入院患者(ICU,救急病棟,精神科以外に入院する英語の読み書きができる20才以上の患者)を対象とする質問紙調査の準備を進めた。 4)この他,患者の尊厳と権利会議(ロンドン)への参加,および,ICNマルタ大会への参加を通じて諸外国の状況について情報収集などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内の患者調査への協力がなかなか得られず,調査依頼を繰り返さざるを得なかったため,日本語版尺度の完成が遅れた。その結果,それをもとにした英語版の準備が遅れてしまい,海外での調査のための倫理審査の申請,承認が翌年度に食い込んでしまった。このため,繰り越し申請を行い,海外調査をH24年度初旬に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
繰り越し申請により,遅れていた海外調査の手続きをH24年度初旬に行い,速やかに調査を進めることとする。また,今までの成果を国際学会等で発表することにより,より信頼性のある尺度とするための助言を得ながら,最終段階の患者尊厳測定尺度国際版の完成に向けた英国での患者調査の準備を進めることとする。
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Research Products
(10 results)