2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際オンラインフォーラムを利用した患者情報プライバシー認識尺度(国際版)の開発
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22390407
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
松田 正己 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (90295551)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 情報プライバシー / 患者情報 / 尊厳 / 尺度 / 看護 / 異文化 |
Research Abstract |
H24年度は,以下の研究活動を行った。 1)前年度に作成した患者の尊厳測定尺度(日本語版)をもとに,尊厳への期待と尊厳に配慮したケアへの満足度の2つの視点から患者の尊厳を測定できるように改良した36項目の尊厳測定尺度国際版international Patient Dignity Scale:iPDSについて,信頼性・妥当性を検証するために,シンガポール郊外の1つの中規模病院に入院する患者430名を対象とする質問紙調査を実施した。調査に先だって日本とシンガポール両方の研究倫理審査の承認を受けた。363名から有効回答を得て因子分析(主因子法,プロマックス回転)を行った結果,(1) respect as a human being, (2) respect for personal feeling and time, (3) respect for privacy, (4) respect for justice and fairness, (5) respect for autonomyの5因子で構成されるiPDS第1版を得ることができた。なお,尊厳への期待は30項目(クローンバックα=0.953),尊厳に配慮したケアへの満足度は29項目(クローンバックα=0.936)で構成されていた。 2)国際的な情報交換のためのオンラインフォーラムについて検討した結果,Facebook等すでに世界で普及している情報交換プラットフォームの優位性が認められ,前年度の成果発表のために出席した看護倫理国際学会ICNE2012(トルコ)の機会を利用して,各国の看護倫理専門家の意見を求めた。その結果,インターネットを利用した情報交換に積極的に参加したいという意見は少なく,学会やセミナーなど膝つき合わせた討論を望む声が多かった。そのため,最終年度はセミナー等を通じて,iPDSについての最終ブラッシュアップを行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シンガポールにおいて調査協力の得られた対象病院の移転準備と重なり,病院スタッフ看護師の負担増とならないように,研究者側(日本側メンバー)で研究補助者を雇うなどして,日常看護とは別の流れで各患者に個別に調査表を配付するように求められた。雇った現地の研究補助者(ミャンマー出身の医師)の努力にもかかわらず,対象患者の選択,対象患者への調査票の配付と説明が思うように進まず,必要な数のデータを入手するのに時間がかかった。そのためデータ解析にも遅れが生じ,次のイギリスでの調査準備が年度内に終わらなくなってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象施設の病院経営者に,我々の研究の意義をより理解してくれるように働きかけ,病院スタッフの協力を得ながら目標とする対象患者を獲得できるようにする(これについては,実際に,調査終盤の平成24年10月頃に,病院としての理解が得られ,複数の病棟でスタッフの協力を得ながら,調査を進めることができた)。 シンガポールにおける調査結果をできるだけ速やかにまとめ,イギリスの研究協力者と平成25年度の患者調査を進められるように準備を進める。
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Research Products
(14 results)