2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390412
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Research Institution | Seibo College |
Principal Investigator |
土江田 奈留美 聖母大学, 看護学部, 准教授 (60334108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 克己 昭和大学, 医学部, 准教授 (80241032)
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Keywords | 母乳育児 / 哺乳行動 / 吸啜圧 / 早期新生児 / アセスメントツール |
Research Abstract |
効果的な母乳育児支援を行うためには、その授乳が適切に行われているかを判断するための評価指標が必要である。しかし、新生児が出生後からどのように哺乳行動を発達させ、どのように哺乳ができれば、適切な哺乳行動であると判断できるのかは未だ標準的な指標はない。そこで、本研究の目的は、早期新生児の吸啜圧および圧パターンと哺乳運動中の児頬筋の筋電位を測定することによって、哺乳行動の発達過程を明らかにすることである。さらに、すでに開発している哺乳行動アセスメントツール(以下、BBAツール)との関連性を検証し、BBAツールの有用性の強化を図りたいと考えた。 平成22年度はプレテストを行い、出生後入院中の母児の授乳に立会い吸啜圧測定を実施し、出生後から経時的に吸啜圧が変化していることが検証できた。また、医療施設内で出生直後の母児に対して、研究手順での実施が可能であることも確認できた。 平成23年度は研究計画書に従い、本研究データ収集を平成23年5月7日から5月16日、平成24年2月22日から3月1日、平成24年3月11日から3月27日までの3回に渡り、母児31組の分娩直後から出生後5日目までの毎日のBBAツールによる授乳状況の観察と、出生0日目、1日目、3日目、5日目の4時点での吸啜圧と筋電位測定を実施した。また、前回プレテストの考察から、吸啜圧とその圧パターンには乳汁分泌状態、乳頭の高さなどの乳房の状態にも関連があることが予測されたので、本研究データにはそれらも合わせて収集することとした。 本年度はこれまで収集したデータの分析と、成果発表を行なっていく予定である。新生児の哺乳行動の研究は海外でも行われているが、現時点においては出生直後から5日間における継続的な新生児の吸啜圧測定のデータはない。したがって、国内外の研究者から示唆を得ながらデータ分析を行なっていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初としては研究対象者数を50例程度と予定していたが、現時点では31例にとどまっている。これは、研究協力を承諾した者の中にも産後の疲労や、新生児が黄疸や感染症の治療が必要になり研究を中断せざるを得ないケースがあり、データ数の確保が難しかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は国内外の学会に参加し、母乳育児に関する研究者から示唆を得ながら、昨年収集した母児31組のデータ分析を行う。その際、データ収集時に新たに生じた課題として、吸啜圧測定中の新生児の上下口蓋、舌など口腔内の動きを超音波断層撮影法にて同時に撮影し吸啜圧や圧波形を合わせて解析することができれば、データ分析の妥当性の確保ができるのではないかと考えている。この点も踏まえて、実施計画を立ててく。
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Research Products
(1 results)