2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者ケアにおけるコラージュ療法の有効性に関する研究
Project/Area Number |
22390421
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂田 由美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30347372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 ゆり子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90336660)
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
吉岡 洋治 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40284195)
金丸 隆太 茨城大学, 教育学研究科, 准教授 (30361281)
関 美雪 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40299847)
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Keywords | 認知症高齢者 / コラージュ / 介入 / コミュニケーション |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、認知症高齢者の問題行動・心理症状の悪化防止や予防・改善のケアの一環としてコラージュ技法を用いたプログラムを実施し、その効果を検証することである。対象は老人保健施設等に入所している軽度認知症高齢者である。プログラムの内容は、1回15分~30分程度のコラージュ介入(ボックス・コラージュ法)を2週間に1回の頻度で行うものである。1グループ6名程度で、3ヵ月間の介入を5施設11グループで実施した。プログラム実施期間は、平成23年4月から平成24年3月であった。コラージュの効果測定のために、ベースライン調査(介入開始3ヵ月前)、コラージュ介入の1回目開始前と6回目終了時、及びフォローアップ調査(介入終了3ヵ月後)では、自律神経機能測定、唾液中のアミラーゼ測定、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、フェイス・スケールを用いて評価を行った。また、各回のコラージュ実施前後では、フェイス・スケール、唾液中のアミラーゼ測定、自律神経機能測定を行った。 本年度は、認知症高齢者79名にコラージュ介入プログラムを実施したが、6回継続して実施できたのは60名であった。対象者の年齢は60歳~97歳、平均年齢84.5歳であった。コラージュ実施前後のフェイス・スケールの変化は、4回目以外の回において有意に肯定的に変化していた(p=.005~p<.001)。HDS-Rは、ベースラインとフォローアップを比較するとフォローアップのほうが有意に上昇していた(p=.035).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していた軽度認知症高齢者を対象にした3ヵ月間のコラージュプログラムが実施できた。本研究のコラージュプログラムは3ヵ月間継続すること、そしてベースライン調査、フォローアップ調査を含めると1人の高齢者に対して9カ月間という長期間を必要とするために中断者もみられた。しかし、当初予定していた対象数を概ね確保できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、平成23年度に得られた生理学的指標の解析および行動チェックやコラージュ作品を分析し、コラージュと認知症高齢者の心理・認知機能との関連、自律神経機能に及ぼす影響について検討する。そして、認知症高齢者ケアとしてのコラージュプログラムの提言を行う予定である。
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