2011 Fiscal Year Annual Research Report
DV女性と子どもの生き抜く力を支えるアドボカシープログラムのランダム化比較試験
Project/Area Number |
22390435
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
片岡 弥恵子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (70297068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
江藤 宏美 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (10213555)
小黒 道子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (90512468)
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Keywords | ドメスティック・バイオレンス / パートナー・バイオレンス / 虐待 / 周産期 |
Research Abstract |
平成23年度は、DVスクリーニング結果と陽性者の面接の分析に関する研究を公表した(母性衛生,52巻4号,p.529-537)。都市部の総合病院1施設の産婦人科病棟において全褥婦に対して、既存の生活調査票に女性に対する暴力スクリーニング尺度を組み入れ行った。対象は、2006年11月~2008年12月末までに出産した褥婦で、カルテより妊娠・分娩およびDVスクリーニング結果の記述統計量を算出し、陽性者の面接記録より点数と支援の必要性について分析した。その結果、スクリーニングを実施したのは分娩者1,525名中1,505名、実施率は98.7%、123名(8.2%)が陽性と判定された。陽性者面接実施率は100%であり、DVケアチームメンバー以外にも病棟の約5割の助産師が面接を行っていた。陽性者のうち、要支援または要経過観察と判定されたのは33%、面接時間は30分またはそれ以上であり、それぞれの状況にあった支援を提供することができた。 支援者へのインタビュ調査では、これまで医療施設にてDVへの取組みを行っている看護職者をはじめとする医療者、配偶者暴力相談支援センター等の地域の支援機関の支援者へのインタビュ調査を行い、DVスクリーニング、スクリーニング陽性者への支援の方法、地域の支援機関との協働に関する実態と課題を明らかにした。本調査の結果は、日本公衆衛生学会にて発表した。 女性に対する暴力スクリーニング尺度(VAWS)の改訂に向けては、妊産婦43名を対象にVAWS改訂案、日本語版ISA、内閣府調査項目等を用いて分析を行った。原版は7項目であったが、臨床適用を考慮し4項目で構成した。感度および特異度は、原版とほぼ同様の値を確保することができた。DVスクリーニングに対する女性からの評価は肯定的であり、今後DVスクリーニングの普及を推進する裏付けとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
女性に対する暴力スクリーニング尺度の改訂に向けての調査にて、研究協力者をリクルートするのに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
アドボカシープログラムの有効性を検証するためのランダム化比較試験を計画しているが、研究協力施設の確保が難しいと予測される。 学会等で研究活動を紹介し、リクルートできるように計画する。
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Research Products
(2 results)