2010 Fiscal Year Annual Research Report
患者・家族を対象とした精神看護介入のニーズ分析とプロトコール開発
Project/Area Number |
22390445
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野末 聖香 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (10338204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 しおり 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (50295755)
安藤 幸子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (80285353)
上野 恭子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (50159349)
平井 元子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助教 (20458954)
石井 美智子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助教 (10583304)
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Keywords | 精神看護 / 精神看護専門看護師 / 役割拡大 / 裁量範囲の拡大 / プロトコール開発 / 精神看護介入 / デルファイ法 / ニーズ分析 |
Research Abstract |
本研究は、精神看護分野における専門性の高い看護師が担うことが可能でかつ患者のニーズが高い介入を特定し、介入プロトコールを開発してケアを実施し、介入効果を検討することを目的としている。平成22年度は、介入を特定するため、精神看護専門看護師(以下CNS)、CNSと協働した経験のある医師、看護管理者を対象にインタビュー調査を実施した。調査対象者は10施設に所属するCNS8名、精神科医19名、一般科医14名、看護管理者53名の計94名である。インタビュー内容は、CNSが関わった患者の状態、CNSによる介入の効果、CNSにどのような役割拡大が期待できるか等である。調査の結果、精神科看護領域では、治療が難しく長期化している統合失調症や気分障害の患者に対する精神療法、隔離・拘束の解除の判断、慢性的に経過する患者への薬物療法等が抽出された。リエゾン精神看護領域では、うつ状態や適応障害を呈した身体疾患患者への精神療法、認知行動療法、臨時の抗不安薬の調整等が期待されていることがわかった。次いで、抽出された介入の重要度と、優先度について、質問紙によるデルファイ調査を行った。対象者は、インタビュー調査の対象者および対象者として追加したCNS計112名である。調査により、精神科看護分野では、「衝動コントロールがうまくいかない患者および統合失調症・気分障害で人格・発達障害上の課題を持つ患者に対する精神療法と精神科ケース・マネジメント、症状管理の促進と日常生活の再構築」「隔離・拘束の解除の判断」、リエゾン精神看護領域では「自殺念慮のある身体疾患患者への危機介入」「適応障害患者の精神療法」「身体疾患で適応障害や気分障害を有する患者への臨時の抗不安薬の種類と量の調整」で優先度が高く、これらがCNSが担うに適する介入であるという結果が得られた。この結果を踏まえ、米国のCNS/Nurse Practitionerを交えてディスカッションを行い、開発する介入プロトコール項目を決定するための示唆を得た。
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