2011 Fiscal Year Annual Research Report
新興住宅地の向老期世代を対象とした"地域への愛着"を育む健康増進プログラムの開発
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22390447
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
大森 純子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (50295391)
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Keywords | 健康増進 / 地域への愛着 / 向老期 / 新興住宅地 / プログラム開発 |
Research Abstract |
【背景】新興住宅地では既に町全体が高齢化し、高齢者の孤立や孤独死などが社会問題となっている地域も多い。団塊世代の高齢期への移行に伴い、全国の新興住宅地において高齢者の生活の質に関わる問題の深刻化が予測され、地域社会における安寧をめざした衆衛生活動が求められている。先行研究の近隣他者との日常的な交流関係を通じて"地域への愛着"が芽生え、Quality of Lifeの認識が高まる事象に着目し、本研究では自分が暮らす"地域への愛着"を意図的に育むことを通して、個人および地域社会の健康増進(個人変容と社会変容)を同時に探求する。 【目的】本研究では、潜在的な健康課題を抱える新興住宅地に居住する向老期世代を対象とした"地域への愛着"を育む健康増進プログラムを開発することを目的とする。 【5年間の計画】(1)"地域への愛着"概念分析、(2)尺度開発、(3)構成概念を骨子にプログラム考案・試行、(4)プログラム評価(介入効果の評価と企画運営上の課題検討)、(5)プログラム改良・洗練 【平成23年度の成果】前年度から行ってきた文献検討から、概念の特徴(先行要件・属性・帰結)や関連概念等を抽出した結果、特に概念の特性の記述が希薄であることがわかった。そのため、今年度は、ハイブリッドモデル(文献検討とフィールドワークの併用による概念分析の手法)を用い、この事象が生る場に出向き、フィールドワーク(参加観察とインタビュー)を行った。分析の問いに基づくサンプリングを経て、国内外の多様な特性地域・年代・立場にある13名にインタビューを実施した。現在は、インタビューデータの分析と文献データの分析結果の統合を行っている段階である。統合では、"地域への愛着"の概念について、構成概念および関連概念とともに分析し、定義づけを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響により、8月に1回目の会議を開催し、今年度の活動計画を立案した。その時点では、最終的な助成金の支給額が未確定であったため、計画を縮小したが、その後全額支給されることになり、計画の再調整が必要となった。そのため、概念分析の最終段階である、インタビューデータと文献データに基づく結果との統合に向けた分析については、継続して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、潜在的な健康課題を抱える新興住宅地に居住する向老期世代を対象とした"地域への愛着"を育む健康増進プログラムを開発することを目的とする。今後3年間の研究計画および推進方策には変更はない。【平成24年度】"地域への愛着"概念分析の結果を基に尺度開発を行う。【平成25年度】構成概念を骨子にプログラム考案し、試行する。【平成26年度】プログラムの評価を行い、その結果に基づき、改良・洗練を検討する。今年度から最終年度までの3年間は、協働自治体との共同事業として質問紙調査、およびプログラム開発・実施・評価・改良まで遂行する。新興住宅地を包含し、本研究課題の必要性に関する意識が高く、研究活動にコミットできる人材を有する自治体のリクルートが課題である。
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Research Products
(2 results)