2012 Fiscal Year Annual Research Report
旧スペイン領南米における集住政策と先住民社会へのその影響の地域間比較
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22401048
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Section | 海外学術 |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
齋藤 晃 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (20290926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
網野 徹哉 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60212578)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 西洋史 / ラテンアメリカ / 植民地時代 / エスノヒストリー / 国際研究者交流(ペルー) |
Research Abstract |
第54回国際アメリカニスト会議の一環として、7月20日、ウィーン大学(オーストリア)において「スペイン領南米における集住政策と先住民社会へのその効果」と題する国際シンポジウムを開催した。このシンポジウムでは、海外共同研究者を含めたメンバーが一堂に会し、研究成果を発表し、議論を交わした。従来の研究では、集住政策は南米の先住民の社会と文化を全面的に否定し、ヨーロッパの制度や価値を強制するものとみなされてきた。そして、その効果はもっぱら攪乱や破壊などの否定的なものだったと考えられてきた。それに対して、このシンポジウムでは、さまざまな事例の検討を通じて、次の2点を明らかにした。 1.先住民が集住政策の客体から主体に転身し、本来抑圧的な制度を飼い慣らし、支配と被支配の狭間で自分たちの利益を追求したこと。 2.集住政策により先住民に押しつけられた制度や価値が、在来の制度や価値と予想外のかたちで接合し、そこから社会の再編と文化の再生の複雑なプロセスが生じたこと。 8月7日から10日にかけて、サン・イグナシオ・デ・ベラスコ(ボリビア)で開催された第14回国際イエズス会ミッション会議に齋藤晃と武田和久が参加し、辺境地域の修道会の集住政策について報告を行った。また、8月26日と9月6日、リマ(ペルー)の教皇庁立ペルーカトリカ大学において、ペルー在住の海外共同研究者の参加を得て、アンデス南部とボリビア東部の集住政策に焦点を当てた公開セミナーを開催した。国内では、6月30日と12月27日、国立民族学博物館において、国内メンバーによる研究会を開催した。 これまでの研究の最終成果として、スペイン語の論文集を刊行すべく、準備を進めた。この論文集は教皇庁立ペルーカトリカ大学出版会から刊行される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(24 results)